おはようございます!
コーヒーはいつもブラックで飲んでいる塗山正宏です。
カフェイン摂取!
今回のテーマは、
人工股関節置換術と周囲組織への影響についてです。
人工股関節の手術すると、
股関節の組織はどうなってしまうのでしょうか?
Good morning!everyone!
今日も元気な塗山正宏が現場からお送りしますよ!
人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty:THA)は、股関節の痛みや股関節の機能障害を改善するために行われる手術です。
では、人工股関節の手術の流れと周囲の組織への影響について考えていきましょう!
人工股関節置換術と周囲組織への影響
人工股関節の手術の流れ
- 手術前準備: 手術前には、患者さんの股関節の状態を評価し、手術計画を立てます。患者さんのX線画像、CT、MRIなどの色々な画像から人工股関節のインプラントをどのように設置するかのシミュレーションを行います。
- 麻酔: 一般的には全身麻酔を行って、しっかり眠っている状態で手術が行われます。
- 皮膚切開: 股関節の皮膚を切開し、股関節に進入します。手術方法によって切開する部位や長さが変わります。
- 大腿骨頭の摘出: 変形した大腿骨の骨頭を切除し、臼蓋と大腿骨を人工股関節に適合させるために骨を削ります。
- 人工股関節の挿入: 金属製のカップを骨盤の臼蓋に挿入します。そして、金属製のステムを大腿骨に挿入します。
- 皮膚を閉創: 人工股関節が適切に設置されていることを確認し、創部を閉創します。
周囲の組織への影響
- 筋肉と腱: 手術中に股関節の周囲の筋肉や腱が切開されたり、圧排される影響で、手術後には股関節の周囲の炎症や痛みが生じます。手術方法(アプローチ)によってダメージを受ける筋肉や組織が変わります。手術における股関節の周囲組織へのダメージの大きさによって、手術後の疼痛および回復が変わります。
- 血管と神経: 手術中に血管や神経を損傷するリスクがありますが、これは非常にまれです。神経障害の代表的なものは、大腿神経麻痺や坐骨神経麻痺などがあります。神経麻痺が生じるとリハビリに要する期間が長くなります。特に坐骨神経麻痺の場合は障害が残ってしまう場合があるので要注意です。
- 骨: 人工股関節の挿入により、骨盤や大腿骨の骨に新しい負荷がかかります。人工股関節の周囲に過度な負荷がかかると、インプラント周囲に骨折が発生する可能性があります。骨粗鬆症がある場合には、骨折リスクを減らすためにも治療を継続する事がとても大切です。
リハビリテーションの重要性
手術後のリハビリテーションは、股関節の機能の向上には不可欠です。
リハビリテーションプログラムには、以下のようなものがあります。
- 運動療法: 股関節の筋力を強化し、関節の安定性を高めるための特定の運動が行われます。運動療法が術後のリハビリに最も重要です。
- 生活指導: 日常生活での動作の改善や、人工股関節の脱臼予防のためのアドバイスが提供されます。
結論
人工股関節置換術は、適切に行われた場合、患者さんの生活の質を大幅に向上させることができます。
しかし、手術にはリスクも伴うため、十分に医師と相談したうえで行いましょう。
人工股関節の手術方法や、手術時間によって、股関節の周囲組織のダメージが変わります。
手術におけるダメージが少ない程、術後の痛みは少なく、手術後の回復が早くなります。
私自身もなるべく手術における股関節周囲組織へのダメージが少なるように最大限の努力をするようにしています。
なるべく術後に良好な回復を目指したいですからね。
ちなみに、同じ手術方法でも、手術を行う医師が違えばダメージは変わりますからね。
決して同じではないです。
そこは強調しておきたいところです。
そして、手術後は、リハビリテーションをしっかりやる事が、股関節の機能回復にとても重要になります。
手術が終わったらリハビリを頑張る!
ホントこれに尽きます!
よろしくお願いいたします!
人工股関節の手術では股関節周囲への組織に色々な影響が出ます。
「ねぇ、ママ?いつ帰ってくる?ってこれバナナ!!」
バナナは滅多に食べる事が無くなってしまった整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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