股関節290　変形性股関節症の症状

おはようございます！
まだ股関節の調子は悪くない気がする塗山です。
このまま一生もってくれれば…




今回のテーマは、

変形性股関節症の症状についてです。

変形性股関節症の症状について

変形性股関節症（Osteoarthritis of the hip）は、関節の軟骨が摩耗し、関節の構造が変形する病気です。

主に中高年に多く見られ、進行すると日常生活に大きな影響を及ぼします。

今回は、変形性股関節症の症状について詳しく解説します。

前期～初期の症状

変形性股関節症の前期～初期段階では、以下のような症状が見られます。

1. 股関節の違和感や軽い痛み
初期段階では、股関節に軽い違和感や痛みを感じることがあります。この痛みは、運動や歩行後に特に感じやすく、休息を取ることで緩和されることが多いです。

2. 可動域の制限
股関節の可動域が徐々に制限されることがあります。具体的には、足を横に開いたり、内側にひねったりする動作がやりづらくなります。

進行期の症状

股関節の変形が進行すると、症状も次第に悪化していきます。

1. 痛みの頻度が増加
変形性股関節症の進行期になると、痛みを感じる頻度が増え、安静にしていても痛むことがあります。特に長時間座った後に立ち上がる時や、朝起きた時に痛みを感じることが多くなります。

2. 動作時の痛み
歩行や階段の上り下り、立ち上がりなどの動作時に強い痛みを感じるようになります。この痛みは、股関節の動きを伴う全ての動作に影響を及ぼし、日常生活の質を低下させます。

3. 股関節のこわばり
股関節がこわばる感覚が強くなり、特に朝の起床時や長時間の座位後に感じることが多いです。こわばりは、しばらく動かすことで和らぐことがありますが、完全に消えることはありません。

末期の症状

変形性股関節症がさらに進行して末期になると、以下のような症状が現れます。

1. 強い痛みと炎症
股関節の痛みがさらに強くなり、股関節周囲の炎症を伴うことが多くなります。このため、股関節周囲が腫れたり、熱をもったりすることがあります。

2. 歩行困難
痛みや股関節の変形により、歩行が困難になります。歩行時に跛行（はこう）を呈することがあり、杖や歩行器などの補助具が必要になる場合もあります。

3. 変形と筋力低下
股関節が変形することで、脚の長さが変わったり、歩行時の姿勢が崩れたりします。また、股関節周囲の筋力が低下し、筋肉の萎縮が見られることがあります。これにより、さらに日常生活の動作が困難になります。

症状の進行と心理的影響

変形性股関節症の症状は、身体的な痛みや不快感だけでなく、心理的な影響も大きくなっていきます。

長期間にわたる痛みや運動制限は、精神的なストレスや抑うつを引き起こすことがあります。

また、日常生活や仕事への支障が増えることで、生活の質が低下し、社会的な孤立感を感じることもあります。

まとめ

変形性股関節症の症状は、初期段階から末期まで様々です。

変形性股関節症の初期では軽い痛みや違和感から始まり、進行期になると痛みが出る頻度が増加し、股関節の可動域の制限が出現します。末期になってしまうと強い股関節の痛みを感じ、股関節の可動域制限が進行し、歩行困難な状態になります。

症状が進行するにつれて、日常生活に大きな影響を及ぼし、心理的な負担も増します。

ただし、症状に関しては個人差があり、股関節の変形が強くても症状が軽い場合や、股関節の変形が軽くても症状が強い場合など様々です。

変形性股関節症は早期発見と適切な治療が重要です。

痛みや違和感を感じた場合は、早めに整形外科を受診し、専門的な診断と治療を受けることをお勧めします。

また、日常生活では股関節に過度な負担をかけないような工夫や、適度な運動を取り入れることが症状をコントロールするうえで重要です。

しかし、股関節の変形が強くなってしまうと、いくらストレッチを頑張ったところで可動域の改善は困難になります。

日常生活動作に支障が出てしまうような状況になれば手術を検討すべきでしょう。

変形性股関節症と向き合いながら、できるだけ快適な生活を送るために、専門家の指導を仰ぎながら適切なケアを行いましょう。

私は応援しますので、皆さん頑張ってください！（笑顔）

「ローストビーフ食べたい人～？」

年に3回くらいはローストビーフを食べる気がしている整形外科医の塗山正宏でした！

【執筆】塗山正宏　医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医