おはようございます!
骨折はまだ1回しかしたことがない塗山正宏です!
もう骨折はしたくないな!!
今回のテーマは、
変形性膝関節症の手術のタイミングについてです。
今回は膝の状態がどうなったら手術を考えたほうがいいのか。
そのへんのトークをしていきます!
もう5年前からずっと膝が痛いのよ…
変形性膝関節症の手術のタイミング:その判断と重要性
こんにちは、日々人工関節の手術をやっている塗山正宏です。
今回は「変形性膝関節症の手術のタイミング」についてお話しします。
変形性膝関節症は進行性の疾患であり、適切なタイミングで手術を行うことが症状の改善と生活の質の向上につながります。
このブログ記事では、手術のタイミングを決定するための基準や考慮すべきポイントについて塗山正宏が詳しく説明します。
変形性膝関節症とは
変形性膝関節症(Osteoarthritis of the Knee)は、膝関節の軟骨が徐々にすり減り、膝関節が変形する病気です。
症状が進行すると、膝の痛みや可動域の制限が日常生活に大きな影響を与えます。
手術を考えるタイミングは、症状の程度や生活の質の低下度合いによって異なります。
手術の必要性を感じる症状と生活の質の変化
手術を検討する際には、以下のような症状や生活の質の変化が見られることが一般的です。
持続的な痛み
膝の痛みが長期間にわたり持続し、痛み止めや理学療法などの保存療法で十分に緩和されない場合、手術を考える必要があります。
特に、夜間に痛みが強くなり、睡眠に支障をきたす場合は、手術の検討が必要です。
日常生活への支障
歩行や階段の上り下り、立ち上がりといった基本的な動作が困難になり、日常生活に大きな支障をきたす場合も手術のタイミングです。
例えば、長時間の立位が困難である、短い距離の移動でも痛みが伴うといった状況です。
膝の変形
膝関節の変形が進行し、O脚やX脚が顕著になった場合も手術の対象となります。
このような変形は、関節の負担を増大させ、痛みや可動域の制限を悪化させるためです。
また膝関節の変形が進むと股関節や腰に負担が増大し、他の関節を悪化させてしまいます。
膝の可動域の制限
膝の可動域が著しく制限され、関節の硬直や曲げ伸ばしが困難になると、日常生活が著しく制限されます。
これにより、自立した生活が難しくなるため、手術を検討することが推奨されます。
手術のタイミングを決定する基準
手術のタイミングを決定する際には、以下のような基準を考慮します。
痛みの程度と持続時間
痛みの程度が強く、持続時間が長い場合は手術のタイミングです。
痛みが生活の質を著しく低下させ、他の治療法では十分な効果が得られない場合には、手術が推奨されます。
保存療法の効果
薬物療法、理学療法、生活習慣の改善などの保存療法を十分に試みても効果がない場合、手術を考慮する必要があります。
保存療法で一時的な緩和が得られても、再発や症状の悪化が頻繁に見られる場合も手術の検討が必要です。
生活の質
患者さんの日常生活の質を考慮します。
痛みや可動域の制限が原因で、日常生活が困難になっている場合は、手術を検討する必要があります。
例えば、仕事や趣味、家事ができない、家族との活動が制限されるといった場合です。
膝関節の構造的変化
X線検査やMRIなどの画像診断で、膝関節の構造的変化が進行している場合も手術のタイミングです。
軟骨の摩耗や骨棘の形成、膝関節の変形が進行している場合は、手術を行うことで症状の改善が期待できます。
手術の種類とその選択
変形性膝関節症の手術にはいくつかの種類があり、患者さんの症状や膝の状態に応じて適切な手術方法を選択します。
人工膝関節全置換術(Total Knee Arthroplasty)
人工膝関節置換術は、膝関節の痛みを根本的に解消するために行われる手術です。
損傷した関節面を取り除き、人工関節を装着することで、痛みの緩和と可動域の改善が期待できます。
人工膝関節全置換術は、膝関節全体を置換する方法で、重度の変形性膝関節症に適用されます。
人工膝関節単顆置換術(Unicompartmental Knee Arthroplasty)
部分置換術は、膝関節の特定の部分のみを置換する手術です。
内側や外側の関節面のみが損傷している場合に適用され、周囲の健康な組織を温存することができます。
人工膝関節単顆置換術は、リハビリ期間が短く、回復が早いのが特徴です。
骨切り手術
変形がまだ重度でなく、年齢も若い場合には骨切り手術を行う場合があります。
自分自身の骨が温存できるメリットがありますが、骨切りした骨が癒合する必要があるため人工関節に比べてリハビリに時間がかかる傾向があるのが欠点です。
手術後のリハビリテーションと予後
手術後のリハビリテーションは、術後の回復と生活の質の向上に非常に重要です。
以下に、リハビリテーションの重要なポイントを挙げます。
早期の運動開始
手術後できるだけ早期に運動を開始することが重要です。
早期の運動は、膝関節の可動域を維持および拡大し、筋力を回復させるために必要です。
理学療法士の指導のもと、適切な運動を行います。
筋力強化
膝関節周囲の筋力を強化することが重要です。
特に大腿四頭筋やハムストリングスの筋力を鍛えることで、膝関節への負担を軽減し、膝関節の安定性に役立ちます。
日常生活の改善
手術後は、日常生活での動作や姿勢にも注意が必要です。
適切な歩行姿勢や階段の上り下り、立ち上がりの方法を習得することで、膝関節への負担を軽減します。
まとめ
変形性膝関節症の手術のタイミングは、患者さんの症状や生活の質、膝関節の構造的変化を総合的に考慮して決定されます。
膝の痛みが持続し、保存療法で効果が得られない場合や、日常生活に支障をきたす場合は、手術を検討する必要があります。
手術後のリハビリテーションも重要であり、適切な運動や筋力強化、日常生活の改善を行うことで、術後の回復と生活の質の向上が期待できます。
私個人の考えとしては、膝関節の変形が重度になり、筋力低下が強く、可動域がかなり狭くなった状態になってから手術をした場合、術後の回復の度合いはどうしても下がってしまいます。
そうなる前に、膝関節の変形がある程度進んできたら、筋力や可動域がかなり悪くなる前に手術を検討して、膝関節の良好な回復を期待したほうが良いでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。
というわけで、膝関節の健康を維持して、楽しい人生を送りましょうか!
では、また!!
膝関節の変形や痛みが強くなってきたら、適切なタイミングで手術を検討しましょう!
「最初はグーを出すって言ったよね??」
人生長くなると色んな変わった人に会う事が増える気がする整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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