おはようございます!
来世はクイズ王並みの記憶力が欲しい塗山です!
今回のテーマは、
股関節インピンジメント症候群についてです。

インピンジメント!インピンジメント
ちょっと噛みそうになりますね笑

インピンジメント?なんですか、それ。
股関節インピンジメント症候群とは?
どーも、整形外科医の塗山です!
股関節インピンジメント症候群(FAI: Femoroacetabular Impingement)とは、股関節の動きに伴って、大腿骨と骨盤の間で骨が異常に衝突し、軟骨や関節唇(かんせつしん)が損傷してしまう状態を指します。
この衝突が繰り返されることで、股関節に痛みが生じ、時間の経過と共に変形性股関節症へと進行するリスクがあります。
インピンジメントのタイプ
FAIには主に2つのタイプがあり、これが原因で股関節の動きに異常が生じます。
- カム型(Cam型)
大腿骨の骨頭部分に異常が生じ、通常の球状の形ではなく、球が変形したような形になります。この変形した骨頭が、股関節の可動域を狭め、動きに制限をかけます。特にスポーツをする若年層に多く見られるタイプです。 - ピンサー型(Pincer型)
骨盤側の臼蓋(きゅうがい)が通常よりも深く、大腿骨の骨頭が動く際に引っかかりやすくなるタイプです。女性に多く見られますが、カム型とピンサー型の両方が組み合わさって発生するケースもあります(混合型)。

主な症状
股関節インピンジメント症候群の症状は、徐々に進行することが多く、最初は軽度の違和感や痛みから始まります。
以下のような症状が典型的です。
- 股関節の前方や側面の痛み
特に長時間座った後や、股関節を深く曲げたときに痛みが生じます。 - 股関節の可動域の制限
股関節を内側に回す動きや、深く曲げる動作で制限が感じられます。 - 足を引きずるような感覚
痛みや可動域の制限によって、歩行がスムーズでなくなります。
原因
FAIは、主に股関節の形態異常によって引き起こされます。次のような要因が関係しています。
- 生まれつきの股関節形態異常
股関節の形が生まれつき通常よりも変形している場合、インピンジメントが発生しやすくなります。 - 過度な運動やスポーツ
サッカーやラグビー、バスケットボールなど、激しい動きを伴うスポーツで股関節に過度な負荷がかかると、骨が徐々に変形し、インピンジメントを引き起こすリスクがあります。 - 年齢
若いころに運動をしていた人が年齢を重ねると、変形した股関節がさらに悪化し、症状が出やすくなります。
診断方法
股関節インピンジメント症候群の診断には、いくつかの検査を組み合わせて行います。
- 問診
症状や痛みの場所、過去の運動歴などを詳しく確認します。 - 画像検査(X線・MRI)
股関節の形態異常や軟骨・関節唇の損傷を確認するために、X線やMRIを使用します。これにより、カム型やピンサー型の診断が可能です。 - 徒手検査
股関節を特定の角度に動かし、痛みや可動域の制限を確認します。
治療方法
股関節インピンジメント症候群の治療方法は、症状の進行具合や患者さんの年齢、生活スタイルに応じて異なります。主に次のような治療法が考えられます。
保存療法
- リハビリテーション
股関節周辺の筋肉を強化し、関節への負担を減らすことで、症状の改善を目指します。理学療法士の指導の下、ストレッチや筋力トレーニングが行われます。 - 薬物治療
痛みを和らげるために、消炎鎮痛剤や筋肉を緩める薬が処方されることがあります。
手術療法
保存療法で改善が見られない場合や、症状が重い場合は手術が検討されます。
- 関節鏡視下手術
小さな切開を通じて、関節内の損傷部分を修復する手術です。関節唇の損傷や、骨の形態異常を修正することで、痛みを軽減します。 - 股関節置換術
重度の変形性股関節症に進行した場合には、人工股関節を置換する手術が選択されることがあります。
早期診断と治療の重要性
股関節インピンジメント症候群は、放置しておくと変形性股関節症に進行する恐れがあります。
初期段階での診断と適切な治療が、長期的な股関節の健康を維持するために非常に重要です。
違和感や痛みを感じたら、早めに整形外科医の診察を受けることをおすすめします。
まとめ
股関節インピンジメント症候群は、股関節の形態異常によって引き起こされる障害で、放置すると生活の質を大きく損なう可能性があります。
ですが、早期の診断と適切な治療によって、日常生活やスポーツ活動を快適に送ることができます。
股関節に違和感や痛みを感じた場合は、まずは専門医の診察を受けましょう。
股関節の違和感、放置しないようにしましょうね!
約束ですよ~!
はい、塗山でした!
股関節の違和感は股関節インピンジメント症候群の可能性あり!

「雪だるま~♪」
子供の頃は雪が降ると雪だるまを作りたくなる衝動に駆られていた整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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