股関節166　人工股関節置換術と人工膝関節置換術の同時手術

おはようございます！
朝起きたらゴリラになっていたら焦る塗山正宏です。
「ウホッ、ウホッ！」

本日のテーマは、

人工股関節置換術と人工膝関節置換術の同時手術についてです。

変形性股関節症の患者さんの中には、変形性膝関節症を患っている場合が少なくありません。

右の変形性股関節症があると、反対側の左の変形性膝関節症を合併することが多くなります。

例えば、右の変形性股関節症に伴う痛みが非常に強く、さらに左の変形性膝関節症に伴う痛みが強い場合にはどうしたらいいのでしょうか？

右股関節と左膝関節の変形が重度になっていて、両方とも手術が必要な状態であるとします。

通常この場合には、より痛いほうの関節を先に手術して、落ち着いたらもうひとつの関節を手術するという流れが一般的かと思います。

しかし、この流れだと仮に右股関節を先に手術した場合、左の膝関節痛が強いためになかなかリハビリが進まない可能性があります。

そうすると思ったような機能回復が得られない場合があります。

では、どうしたらいいのでしょうか？

結論です。

股関節と膝関節を同時に手術をしましょう。

私の考えでは、こういう場合には股関節も膝関節も同時に手術を行います。

痛い関節を同時に直してあげたほうが、リハビリが進みやすくなるからです。

あえて手術を2回にわけることはしません。

股関節と膝関節の両方の痛みが強い場合には、同時に股関節と膝関節を手術したほうが、痛みが取れるためにリハビリが進みやすくなるのに加えて、手術を2回に分けた場合に比べて合計のリハビリ期間も短くなります。

下肢全体のバランスも改善しますので、歩容が良くなります。

この写真は、右人工膝関節置換術と左人工股関節置換術の同時手術です。

同時手術したことによって、下肢全体のバランスが改善していることがわかりますでしょうか？

全然違いますよね？

バランスがかなり改善しています。

そして、金銭的なメリットもあります。

入院が1回になりますので、入院費も削減できます。

2回にわけるよりもメリットのほうが大きいと感じます。

しかし、実際には股関節と膝関節を同時に手術を行う病院は、なかなか無いのが現状ですね。

もし同時に手術を考えたい人がいたら、私に相談してください（笑顔）

以上、少しでも参考になれば幸いです。

「酔っぱらってネクタイをおでこに巻いてる人見たことない笑」

昔の体育会系の飲み会は何故かみんな脱ぎたがる人が多いと感じる整形外科医の塗山正宏でした。

【執筆】塗山正宏　医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医