おはようございます!
左肩の脱臼だけしたことがある塗山です。
脱臼は本当に痛いから困る!
今回のテーマは、
人工股関節置換術後の脱臼についてです。

塗山先生
人工股関節の手術後は脱臼に気をつけて!

かつこさん
脱臼!?痛そう・・・
人工股関節置換術後の脱臼:原因、予防、対策
こんにちわ!整形外科医の塗山正宏ですよ!
人工股関節置換術(THA:Total hip arthroplasty)は、変形性股関節症や関節リウマチなど、股関節の疾患に対して行われる代表的な治療法です。
しかし、術後に起こる可能性のある合併症の一つとして「脱臼」が挙げられます。
この記事では、人工股関節置換術後の脱臼について、原因や予防方法、治療法を詳しく解説します。
人工股関節置換術後の脱臼とは?
人工股関節の脱臼は、手術で置換した人工股関節の骨頭がカップの中から外れることを指します。
脱臼は術後の早期(術後3か月以内)に発生することが多く、患者さんの生活の質を低下させる可能性があります。
脱臼の主な原因
- 術後の姿勢や動作
- 股関節を極端に屈曲または内旋する動作(例:床に座る、靴を履く際に膝を大きく内側に入れる)が脱臼のリスクを高めます。
- 股関節を極端に屈曲または内旋する動作(例:床に座る、靴を履く際に膝を大きく内側に入れる)が脱臼のリスクを高めます。
- 手術手技
- 人工股関節の配置が適切でない場合や、術中に周囲の軟部組織(筋肉、腱)の緊張が不十分な場合、股関節の安定性が低下します。
- 人工股関節の配置が適切でない場合や、術中に周囲の軟部組織(筋肉、腱)の緊張が不十分な場合、股関節の安定性が低下します。
- 患者特性
- 高齢者や筋力が低下している患者では、股関節を安定させる周囲の筋肉のサポートが弱く、脱臼リスクが高くなります。
- 高齢者や筋力が低下している患者では、股関節を安定させる周囲の筋肉のサポートが弱く、脱臼リスクが高くなります。
- 外的要因
- 転倒や事故によって強い外力が加わると、人工股関節の脱臼の原因となり得ます。
- 転倒や事故によって強い外力が加わると、人工股関節の脱臼の原因となり得ます。
脱臼を予防するには?
- 正しいリハビリ指導
- 術後のリハビリで、股関節に負担をかけない姿勢や動作を学びます。例えば、「90度以上股関節を曲げない」や「膝を内側に入れ過ぎない」などのルールを守ることが重要です。病院によって指導方法が変わるので、必ず指導を守りましょう。
- 術後のリハビリで、股関節に負担をかけない姿勢や動作を学びます。例えば、「90度以上股関節を曲げない」や「膝を内側に入れ過ぎない」などのルールを守ることが重要です。病院によって指導方法が変わるので、必ず指導を守りましょう。
- 適切な手術技術
- 経験豊富な医師による手術では、人工股関節の配置や軟部組織のバランスが適切に行われる可能性が高くなり、脱臼リスクが低下します。
- 経験豊富な医師による手術では、人工股関節の配置や軟部組織のバランスが適切に行われる可能性が高くなり、脱臼リスクが低下します。
- 周囲環境の整備
- 自宅や施設内での転倒リスクを減らすため、滑りにくい床材や補助具(例:杖や歩行器)を活用しましょう。
- 自宅や施設内での転倒リスクを減らすため、滑りにくい床材や補助具(例:杖や歩行器)を活用しましょう。
- 筋力強化
- 大腿四頭筋や中臀筋や腸腰筋など、股関節を支える筋肉のトレーニングを行うことで、安定性が向上します。
- 大腿四頭筋や中臀筋や腸腰筋など、股関節を支える筋肉のトレーニングを行うことで、安定性が向上します。
脱臼してしまった場合の対応
- 整復
- 病院で画像検査を行い、脱臼の有無を確認します。脱臼が認められた場合には、適切な手技で人工股関節を元の位置に戻します。通常は鎮静剤を使用した状態で下肢を牽引し、脱臼した骨頭をカップのなかに戻します(整復)。
- 病院で画像検査を行い、脱臼の有無を確認します。脱臼が認められた場合には、適切な手技で人工股関節を元の位置に戻します。通常は鎮静剤を使用した状態で下肢を牽引し、脱臼した骨頭をカップのなかに戻します(整復)。
- 再手術
- 脱臼の再発を繰り返す場合は、人工股関節の再配置や専用の脱臼防止型インプラントへの交換が検討されます。
- 脱臼の再発を繰り返す場合は、人工股関節の再配置や専用の脱臼防止型インプラントへの交換が検討されます。
- 脱臼防止ブレース
- 脱臼しやすい患者には、股関節の特別なブレースを使用することによって、脱臼の予防をする場合があります。
- 脱臼しやすい患者には、股関節の特別なブレースを使用することによって、脱臼の予防をする場合があります。
まとめ
人工股関節置換術後の脱臼は適切なリハビリと予防策を実施することで、そのリスクを大幅に低減できます。
術後の生活を安全かつ快適に過ごすために、医師や理学療法士と密に連携しながら正しい動作や筋力強化に取り組むことが大切です。
人工股関節の脱臼は術後3か月以内に起きる事が多い合併症です。
脱臼しないためにも、術後3か月は股関節の動きに注意しましょう。
術後のトラブルを未然に防ぎ、長期的な人工関節の安定を確保するために、術後早期は慎重に生活していきましょう。
気をつけるに越したことはありませんからね。
人工股関節置換術後の術後早期は脱臼に注意しましょう!

「お待たせしました~♪」
中学生の頃はどんぶりでご飯を食べていた整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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