おはようございます。
人工股関節と人工膝関節のオペをやっている塗山正宏です。
今回のテーマは、
人工股関節置換術後のリハビリについてです。
私が行っている人工股関節置換術は、筋肉、腱を切らずになるべく組織を温存して行う人工股関節置換術です。
具体的には、仰臥位(あおむけ)で行う仰臥位前外側進入法です。
英語で言うと、Anterolateral Supine Approach (ALS) です。
患者さんの骨の変形度合いや体格によっては、数年前まで仰臥位前方進入方:Direct Anterior Approach(DAA)を行う場合もありしたが、現在は全例ALSで行っています。
なぜならこの手術方法が1番優れている方法だと感じているからです。
では、本題です。
「人工股関節置換術の手術後のリハビリテーションはいつから始めるのですか?」
外来でよく受ける質問です。
一般的なリハビリプランは、手術後翌日、または2日後くらいから歩行練習が始まります。
しかし、私のリハビリプランは手術当日の術後3時間後から始めます!
術後3~4時間で本当に動けるの?と疑問に思われると思います。
実際には、体調さえ問題なければ、ほとんどの患者さんが立つことや歩行が出来ます。
両側同時人工股関節置換術後の患者さんでも歩行可能です。
もし仮に動けない場合は痛みで動けないというよりは、気持ちが悪くて動けないという感じです。
痛くて動けないことは殆ど無いですね。
早期に離床(ベッドから離れる)することによって、血栓症の予防にもなります。
早期離床するには、手術の侵襲やダメージが少なくないと出来ません。
逆に言うと、手術が低侵襲だから早期離床が可能になります。
早期離床させるためにも、私は常に手術をなるべく低侵襲で行えるように心がけています。
現場からは以上です!
手術をなるべく低侵襲で行うことにより、早期離床を可能にする。
お寿司には基本醤油をつけない派の整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医