おはようございます。
地球っていつまで存在するのか気になる塗山正宏です。
今回のテーマは、
人工股関節置換術後のキズの処置についてです。
人工股関節置換術を行う際には必ず皮膚を切ります。
人工関節を入れるための手術なので、皮膚を切らないと何も出来ません(笑)
私が行っている
・仰臥位前外側進入法(ALS:Antero-Lateral Supine Approach)
で手術する際の実際の皮膚の切開の長さは、
・平均的な女性の体形であれば8cm
・身長が低かったり、痩せ型の患者さんであれば6~7cm
・身長が高い、肥満体形、男性の患者さんの場合は9~10cm
くらいになることが多いです。
これはあくまでも私の場合です(笑顔)。
今まで初回の人工股関節置換術で最も長く切った例は約13cmです。
この患者さんは男性で体重が120キロ位あり、脂肪と筋肉量が大変多かったためです(笑)
手術もそれはそれはかなり大変でしたね・・・(涙)
非常に疲れた手術だったことを覚えていますね。
では、本題の実際術後の創部(きず)の処置ってどんなことをするのでしょうか?
毎日傷の消毒や処置をするのでしょうか?
答えは・・・
![塗山先生](https://toyama-joint.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_09549-150x150.jpg)
「特になにもしません!」
昔(私がまだ研修医だった頃)は切った傷口は日々消毒処置をするのが当たり前でした。
日々傷の部分をイソジンで消毒してガーゼ交換です。
そうです、私が医師になった頃は毎日ガーゼ交換をしていました。
イソジンを日々塗っては、ガーゼ交換です。
これが日課でしたね。
どれだけイソジンを使った事か・・・笑
どれだけイソジンを塗りたくなったことか・・・笑
しかし、現在は消毒は一切行っていません。
毎日の消毒の処置が意味がないってわかったからです。
振り返ってみると単なる儀式でしか無かったですね(笑)。
無駄な事に随分時間を費やしていましたね。
あの時間を返してほしいです!!笑
また、患者さんによく質問される内容として、
![あやこさん](https://toyama-joint.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/obasan.png)
「抜糸ってするのですか?」
と聞かれます。
![塗山先生](https://toyama-joint.com/wp-content/uploads/2022/07/cropped-section01-img04-150x150.jpg)
抜糸はありませんよ!
そうです、抜糸はありません!
創部の表面は糸で縫合せずに医療用の接着剤でくっつけるだけです。
そのため抜糸がありません。
あとは接着剤が自然にはがれるのを待つだけです。
それで終わりです。
昔に比べたら非常に処置が楽になりました。
手術を受ける患者さんも抜糸がないと楽ですもんね。
みんなハッピーが良いですよね!(笑顔)
何事もシンプル イズ ベスト!
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60464304/picture_pc_f443abea1a965bc59299263fcef10c83.jpg?width=800)
「へぃ!召し上がれ!」
映画を見るとすぐに感情移入して影響されやすいタイプの整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
コメント