おはようございます。
指の怪我には人一倍敏感な塗山正宏です。
指を怪我したら外科医として終わってしまうので…涙。
今回のテーマは、
人工膝関節置換術と骨セメントについてです。
人工膝関節のインプラントを骨に固定する際に、骨セメント(接着剤または充填剤)を使用する場合としない場合があります。
私自身は骨が脆い事が多い女性の場合は、セメントを使用することが多いのですが、骨が丈夫な男性の場合には、セメントを使用しない場合があります。
いわゆるセメントレスのインプラントですね。
骨セメントを使用しないインプラントの場合では、インプラントに徐々に骨が入り込み、インプラントと骨がくっついてしまいます。
簡単に言えば、インプラントと骨が一体化するっていうことですね。
手術における、セメントを使用しない(セメントレスインプラント)メリットとしては、手術時間の短縮が挙げられます。
反対にセメントを使用しない(セメントレスインプラント)デメリットは、より正確に骨を切らないといけない事と、骨が脆い場合にはセメントレスインプラントは使用できない事ですね。
骨が脆い場合に、無理矢理骨セメントを使用せずにインプラントを叩き込むと、骨折するリスクがあるので要注意だからです。
もちろん術後に骨折が発生してしまうリスクもあります。
骨が折れては大変ですからね。
骨折を起こしてしまうと再手術になってしまう可能性があります涙。
では、実際に日本全体では人工膝関節置換術において骨セメントは具体的にどれくらい使用されているのでしょうか?
日本人工関節学会 2021年度のデータによると…
やはり、骨セメントが8割以上ですね。
人工膝関節置換術は高齢者が多いですから、どうしても骨が脆い場合が頻度としては多くなりますからね。
というわけで、人工膝関節置換術では、骨セメントを使用する頻度が高いということでした。
人工膝関節置換術では骨セメントを使用する事が多い
「お酒のお供は柿ピー!」
お酒を飲むときは柿の種を食べる事がそこそこある整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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