おはようございます!
検診は定期的に受ける事が重要だと思っている塗山です。
今回のテーマは、
変形性膝関節症と滑膜性骨軟骨腫症についてです。

滑膜性骨軟骨腫症って知ってますか!?

知らんがな!
変形性膝関節症と滑膜性骨軟骨腫症
みなさん、お待ちかねの整形外科医の塗山正宏がやんわりとトークする時間になりました。
今日も始めていきますよ~!
変形性膝関節症(knee osteoarthritis:OA)は、中高年に多く見られる関節疾患で、軟骨の摩耗や関節の炎症により痛みや機能障害を引き起こします。
一方、滑膜性骨軟骨腫症(synovial osteochondromatosis)は、関節の滑膜から発生する稀な良性腫瘍性疾患です。
これらの疾患が同時に存在する場合、診断や治療の難易度が上がることがあります。
本記事では、変形性膝関節症と滑膜性骨軟骨腫症について、病態や診断、治療法を整形外科医の塗山正宏が厳しい表情で解説します。
滑膜性骨軟骨腫症とは
滑膜性骨軟骨腫症は、滑膜細胞が異常に増殖し、関節内で軟骨片を形成する疾患です。
これらの軟骨片は石灰化し、骨化することもあります。
膝関節に発生することが最も多く、他の関節でも発生する場合があります。
滑膜性骨軟骨腫症の特徴
- 発症原因:原因は明確ではありませんが、関節滑膜の細胞が軟骨を生成する細胞に変化し、軟骨のかたまり(遊離体)が関節腔内に増大することで発症します。
- 症状:関節の痛み、腫れ、可動域制限、関節のロッキングなど。
- 分類
- 一次性:原因が不明で、関節内に多数の骨軟骨片が形成される。
- 二次性:変形性膝関節症や外傷に伴い発生する。
変形性膝関節症と滑膜性骨軟骨腫症の関係
滑膜性骨軟骨腫症は、変形性膝関節症を悪化させる要因となり得ます。
骨軟骨片が関節内に存在すると、関節軟骨への機械的刺激が増加し、軟骨の摩耗が進行する可能性があります。
また、関節液の循環が妨げられることで炎症が悪化することもあります。
診断
変形性膝関節症と滑膜性骨軟骨腫症の診断には、以下の検査が有用です。
画像検査
- X線:骨軟骨片や関節の変形を確認。
- MRI:滑膜の増殖や関節内の骨軟骨片を詳細に評価。
- CT:石灰化や骨化の程度を正確に把握。
治療
保存的治療
軽度の症例では保存的治療が行われることがあります。
- 薬物療法:
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で炎症と痛みを緩和。
- ヒアルロン酸注射やステロイド注射など。
- リハビリテーション: 筋力強化や関節の安定性向上を目的とした運動療法。
外科的治療
症状が重い場合や保存的治療が効果を示さない場合には手術が検討されます。
- 関節鏡視下手術: 骨軟骨片の除去や滑膜切除が行われます。
- 人工膝関節置換術: 変形性膝関節症が高度で、関節機能が著しく損なわれている場合には、人工膝関節置換術が選択されます。
最新の研究と知見
- Yamaguchi et al. (2022): 滑膜性骨軟骨腫を伴う変形性膝関節症の患者では、関節鏡視下手術が痛みと機能の大幅な改善につながることが示されています。
- Lee et al. (2021):MRIを用いた診断により、滑膜性骨軟骨腫の早期発見が可能であることが報告されています。
- Smith et al. (2020):ヒアルロン酸注射が、滑膜性骨軟骨腫を伴う変形性膝関節症患者の疼痛管理に有効であるとされています。
まとめ
変形性膝関節症と滑膜性骨軟骨腫症が同時に存在する場合、適切な診断と治療が患者さんの生活の質に大きな影響を与えます。
定期的な画像診断と専門的な治療を通じて、症状の進行を抑え、機能改善を図ることが重要です。
患者さんごとに最適な治療法を選択することで、より良い術後成績が期待できます。
私は普段変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術を行っていますが、時々滑膜性骨軟骨腫症による変形性膝関節症の患者さんに遭遇します。
滑膜性骨軟骨腫症があると、関節の変形が結構進行していることが多い印象ですね…涙。
でも、しっかり治療すれば関節の機能は回復しますので、ご心配なく。
以上、塗山がお伝えしました!
ではまた!
滑膜性骨軟骨腫症の影響で、変形性膝関節症が進行してしまうことがある!

「がっつりハンバーガー!!」
定期的にカロリーオーバーのハンバーガーをノンカロリーだと思い込んで食べたくなる整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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