おはようございます!
いつまでも正座ができる膝をキープしたい塗山です。
今回のテーマは、
人工膝関節置換術後の膝関節の可動域についてです。

人工膝関節の手術後、膝はどれくらい曲がるのでしょうか?

それは気になるわ…
人工膝関節置換術後の膝関節の可動域について
皆さんお待たせしました。
整形外科医の塗山正宏が膝について語る時間がやってまいりましたよ!
人工膝関節置換術(TKA: Total Knee Arthroplasty)は、変形性膝関節症や関節リウマチなど、重度の膝関節疾患に対する効果的な治療方法として広く行われています。
この手術により、患者さんの痛みが軽減し、日常生活動作の質が向上します。
しかし、術後の膝関節の可動域(ROM: Range of Motion)は、患者さんの満足度や機能回復において非常に重要な要素です。
本記事では、人工膝関節置換術後の膝関節の可動域について、色々な情報をちりばめながら塗山が笑顔で解説します。
膝関節の可動域の重要性
膝関節の可動域は、術後の生活の質(QOL)に大きな影響を与えます。
通常、健常な膝関節の可動域は約0°(完全伸展)から130~140°(完全屈曲)とされていますが、人工膝関節置換術後は、120°程度の屈曲が可能であれば日常生活に問題がないとされています。
一方で、深い屈曲が求められる文化や生活様式(正座や床に座るなどの和式生活)では、さらに大きな屈曲が必要とされる場合があります。
術後の可動域に影響を与える要因
1. 手術前の状態
術前の膝関節の可動域や筋力が術後の回復に大きく影響します。
術前に可動域が著しく制限されている場合、術後の改善も限られることが多いです。
2. 手術技術
手術中の人工関節の設置位置や軟部組織のバランス調整が不十分であると、術後の可動域が制限される可能性があります。
3. リハビリテーション
術後早期のリハビリテーションが可動域の回復に直結します。
- 運動療法
- 自動・他動運動
- 筋力強化トレーニング
などが重要です。
4. 患者さんの特性
年齢、性別、肥満度、既往歴などが影響します。
特に肥満は術後の可動域改善を妨げる要因となり得ます。
術後の目標と経過
短期的目標
術後1ヶ月以内には、最低でも90°以上の屈曲が目標とされます。
可能であれば術後2週間で120°の屈曲を目指しましょう。
この時期は、炎症や疼痛が強いため、膝の状態を見ながら可動域改善のためのリハビリを継続しましょう。
中・長期的目標
術後1年以内に120°以上の屈曲を達成することが一般的な目標です。
これにより、ほとんどの日常生活動作が問題なく行えるようになります。
文献紹介
- Schurman DJ, et al. (2005) “The Influence of Preoperative Range of Motion on Functional Outcome After Total Knee Arthroplasty”.
- 術前の可動域が術後の回復に与える影響についての研究で、術前の屈曲角度が術後の機能予後に重要であると示されています。
- 術前の可動域が術後の回復に与える影響についての研究で、術前の屈曲角度が術後の機能予後に重要であると示されています。
- Smith TO, et al. (2010) “Early Rehabilitation Following Total Knee Arthroplasty”.
- 術後早期のリハビリが可動域と患者満足度の向上に寄与することを報告しています。
- 術後早期のリハビリが可動域と患者満足度の向上に寄与することを報告しています。
- Ritter MA, et al. (2003) “Range of Motion After Total Knee Arthroplasty: How Important Is This as an Outcome Measure?”.
- 術後の可動域が患者の長期的な満足度やQOLにどの程度関与するかを報告しています。
- 術後の可動域が患者の長期的な満足度やQOLにどの程度関与するかを報告しています。
まとめ
人工膝関節置換術後の膝関節の可動域は、患者さんの満足度や機能回復において極めて重要です。
術前から術後リハビリまでの一貫した管理が、最良の結果を得るための鍵となります。
医師、理学療法士、患者さんが連携し、適切な目標設定と努力を行うことで、術後の生活の質を大きく向上させることが可能です。
人工膝関節の手術後は少しでも膝が曲がるように、リハビリを頑張っていく事が重要です。
リハビリ頑張ろう!!
頑張りましょう!
応援しています!
YEAH!!
人工膝関節の手術後は膝の可動域をしっかり拡大させていきましょう!

「最近シェーしてますか!?」
かれこれ20年間はシェーをしていない気がする整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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