“You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards.”
「未来を見て点と点をつなぐことはできない。できるのは、過去を振り返って点と点をつなぐことだけだ。」
Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)
これは、Apple創業者のスティーブ・ジョブズが2005年のスタンフォード大学卒業式で語った有名なスピーチの一節です。
一見、ビジネスや人生論の話のようですが、実は整形外科医療やリハビリにも通じる非常に深いメッセージを含んでいます。
術後は「先が見えない時間」がある
人工股関節置換術や人工膝関節置換術を受けた患者さんの多くは、術後すぐには「本当にまた普通に歩けるのだろうか」「この痛みはいつなくなるのだろう」と不安を抱えます。
その時点では、今やっているリハビリや生活の工夫が、将来どう役立つかは見えません。
毎日の筋トレや可動域訓練、食事管理などが「点」として存在しているだけです。
回復後に「点」がつながる瞬間
しかし、数ヶ月後、階段を登れるようになったり、旅行に行けるようになったとき、患者さんは気づきます。
「あの時の地道な運動が、この自由な歩行につながったんだ」
それが、ジョブズのいう「Connecting the dots(点と点をつなぐ)」の瞬間です。
医療現場で私が見てきたこと
これまでの診療で、「今やっていることが未来の自分を作る」と信じて努力を続けた方ほど、術後の満足度が高く、生活の質が大きく向上していました。
逆に、焦って短期的にすぐに結果だけを求めてしまうと、リハビリが中断されたり、痛みが長引くケースもあります。
回復の道は「点」の積み重ね
- 術後の毎日の歩行練習 → 筋力維持の点
- 栄養バランスを整えた食事 → 骨や筋肉を守る点
- 正しい姿勢や動作を意識する習慣 → 再発防止の点
これらの小さな点が、後になって振り返ったときに線になり、自分の望む未来の生活を描いてくれます。
今は意味が見えない努力も、後でつながっていきます。
小さな習慣の積み重ねが、大きな成果を生むことを覚えておきましょう!
何事もコツコツと。
継続は力なりですよ!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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