格言 season203 

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― 人工股関節術後に“やってはいけない頑張り”とは?整形外科医が解説 ―

1. はじめに|「早く良くなりたい」が落とし穴になることがあります

整形外科医の塗山正宏です!

人工股関節置換術(THA:Total hip arthroplasty)を受けた患者さんは、とても真面目です。

  • 「早く歩けるようになりたい」
  • 「迷惑をかけたくない」
  • 「頑張ってリハビリしなきゃ」

そう考える方が多くいらっしゃいます。

もちろん、その前向きな気持ちはとても大切です。
しかし私は外来で、あえてこんなふうにお話しすることがあります。

塗山先生
塗山先生

人工股関節の術後に大切なのは、“頑張りすぎない勇気”です。

実は、人工股関節術後では、
“頑張りすぎ”が回復を遅らせることがあるのです。

この記事では、

  • なぜ頑張りすぎが危険なのか
  • 術後に本当に大切なこと
  • 回復を早める人の共通点

を、整形外科医の立場からわかりやすく解説します。


2. 人工股関節術後で最も多い失敗

人工股関節術後で意外と多いのが、

「調子が良くなって動きすぎる」

というケースです。

たとえば、

  • 退院直後に歩きすぎる
  • 痛みを我慢して家事をする
  • 無理に階段を繰り返す
  • 「鍛えたほうが早く治る」と思い込む

こうした行動によって、

  • 炎症が長引く
  • 筋肉が疲労する
  • 痛みがぶり返す

ことがあります。


3. 「痛みが減った=治った」ではありません

術後は、関節の痛みはかなり改善します。

すると患者さんは、

「もう大丈夫そう」
「思ったより動ける」

と感じます。

しかし実際には、

  • 筋肉
  • 周囲組織

はまだ回復途中です。

つまり、

塗山先生
塗山先生

“痛みが減った”と“完全に治った”は別の話です。




4. 人工股関節の回復は「マラソン」

人工股関節術後の回復で重要なのは、

  • 一気に頑張ること
    ではなく、
  • 無理なく続けること

です。

私はよく患者さんに、

塗山先生
塗山先生

回復は短距離走ではなく、マラソンです。
そして回復には波があります。

とお話ししています。


5. 頑張りすぎる人ほど、途中で苦しくなる

特に真面目な方ほど、

  • 「もっと歩かなきゃ」
  • 「サボってはいけない」
  • 「我慢しないといけない」

と考えがちです。

しかし術後のリハビリは、“我慢大会”ではありません。

大切なのは、

  • 適度に休む
  • 疲れを残さない
  • 痛みを悪化させない

ことです。


6. 術後に本当に大切な3つのこと

① 続けること

人工股関節術後で最も重要なのは、“ゼロにしないこと”です。

毎日少しずつでも続けることが、結果的に最短距離になります。

② 比べないこと

SNSや他人の回復と比較すると、

  • 「自分は遅い」
  • 「もっと頑張らなきゃ」

と思ってしまいます。

しかし回復速度には個人差があります。

比べるべきは、昨日の自分です。

③ 休むこと

実は、“上手に休める人”ほど回復が安定します。

疲労をため込みすぎないことは、長期的に非常に重要です。


7. 患者さんの実例

70代女性の患者さん。

術後2週間で痛みがかなり減り、

「動けるうちに頑張らなきゃ」

と毎日長距離を歩いていました。

しかしその結果、

  • 太ももの痛み
  • 強い疲労感
  • 歩行フォームの乱れ

が出現。

一度ペースを調整し、

  • 歩行量を適正化
  • 休息をしっかり取る
  • 無理をやめる

ことで、徐々に安定しました。

その後、患者さんはこう言われました。

「頑張らないほうが、逆に良くなりました」

これは人工股関節術後では、実は珍しくありません。


8. 人工股関節術後の“理想的な回復”とは?

理想的なのは、

  • 少し動く
  • 少し休む
  • 無理なく続ける

この繰り返しです。

回復とは、“急激に良くなること”ではなく、“悪化せずに積み上がること”なのです。



9. 整形外科医塗山からのまとめ

塗山先生
塗山先生

人工股関節の術後に大切なのは、“頑張りすぎない勇気”です。

人工股関節置換術は、人生を前向きに変える力のある手術です。

しかし、その力を最大限に引き出すには、

  • 焦らないこと
  • 無理をしないこと
  • 続けること

がとても重要です。

回復は競争ではありません。

一歩ずつ、あなたのペースで進めば大丈夫です。



10. 最後に

私はいつも患者さんに、こうお伝えしたいです。

塗山先生
塗山先生

回復は、頑張った量ではなく、“続けられた時間”で決まります

焦らなくて大丈夫です。

人工股関節の回復は、ゆっくりでも確実に前へ進んでいきます。

以上、参考になりましたでしょうか!?

では、筋トレしてきます。




【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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