股関節289 変形性股関節症とロコモティブシンドローム

ロコモ 股関節

おはようございます!
今日も水を沢山飲むつもりの塗山正宏です!
ごくごくごく!






今回のテーマは、

変形性股関節症とロコモティブシンドロームについてです。





塗山先生
塗山先生

整形外科学会はロコモの認知度をあげたいようなので貢献します!

ぎゆうさん
ぎゆうさん

ロコモコ?食べ物の話ですか?

はじめに

こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。

今回は「変形性股関節症」「ロコモティブシンドローム」についてお話ししたいと思います。

これらの疾患は、高齢化社会においてますます重要な問題となっています。

特に変形性股関節症は、日常生活に大きな支障をきたし、QOL(生活の質)を低下させる要因となり得ます。

また、ロコモティブシンドローム(ロコモ)は運動器の障害により要介護状態になるリスクが高まる状態を指します。

これらの疾患について理解し、適切な対策を講じることが、健康寿命を延ばし、活力ある生活を送るために重要です。


変形性股関節症とは

変形性股関節症は、股関節の軟骨が徐々にすり減り、関節の形状が変形する病気です。

主に高齢者に多く見られ、寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)、加齢に伴う軟骨の摩耗や、肥満、遺伝的要因、外傷などが原因とされています。

症状としては、股関節の痛みやこわばり、股関節の動きの制限が挙げられます。

特に朝起きたときや長時間座った後に強い痛みを感じることが多いです。

進行すると安静時にも痛みを感じるようになります。

原因とリスク要因

  1. 加齢: 年齢と共に関節の軟骨は摩耗しやすくなります。
  2. 肥満: 体重が増えることで股関節にかかる負担が増大し、軟骨がすり減りやすくなります。
  3. 遺伝: 遺伝的要因により、寛骨臼形成不全があると軟骨が減りやすくなります。
  4. 外傷: 過去の外傷や股関節の手術歴があると、変形性股関節症を発症しやすくなります。

症状

  1. 痛み: 特に運動後や長時間の座位の後に痛みを感じます。
  2. こわばり: 朝起きたときや長時間座った後に股関節がこわばることがあります。
  3. 可動域の制限: 股関節の動きが制限され、歩行や日常動作が困難になることがあります。


ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドローム(ロコモ)は、運動器(骨、関節、筋肉、神経など)の障害により移動機能が低下し、要介護状態になるリスクが高い状態を指します。

日本整形外科学会が提唱しており、特に高齢者において重要な概念です。

ロコモの原因としては、変形性股関節症をはじめ、変形性膝関節症脊柱管狭窄症骨粗鬆症などが挙げられます。

ロコモの進行ステージ

  1. ステージ1: 運動機能の低下が始まる段階。症状は軽微であり、自覚症状がほとんどない場合もあります。

  2. ステージ2: 移動能力が低下し、日常生活に影響が出始める段階。歩行速度の低下や、階段の昇降が困難になることがあります。

  3. ステージ3: 重度の運動機能障害があり、介助なしでは日常生活が困難になる段階。要介護状態に近づくことが多いです。


変形性股関節症とロコモティブシンドロームの関連

変形性股関節症は、ロコモの主要な原因の一つです。

股関節の痛みや動きの制限は、運動不足を引き起こし、それが筋力低下を招きます。

筋力が低下すると、さらに関節に負担がかかり、症状が悪化するという悪循環に陥ります。

このため、変形性股関節症の管理は、ロコモの予防・進行抑制において非常に重要です。


治療と対策

変形性股関節症の治療

  1. 薬物療法: 痛みを和らげるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛薬が使用されます。

  2. 理学療法: 股関節の可動域を維持し、筋力を強化するための運動療法が推奨されます。専門の理学療法士による指導のもと、適切な運動を行うことが重要です。

  3. 生活習慣の改善: 体重管理や適度な運動、バランスの取れた食事が推奨されます。特に体重の減少は股関節への負担を軽減するため、重要な対策となります。

  4. 手術療法: 症状が進行し、日常生活に支障をきたす場合には、人工股関節置換術が行われることがあります。この手術は、股関節の痛みを軽減し、可動域を改善する効果があります。

ロコモティブシンドロームの予防と対策

  1. 定期的な運動: 筋力を維持し、関節の可動域を保つために、定期的な運動が推奨されます。ウォーキングやストレッチ、筋力トレーニングが効果的です。

  2. バランス訓練: 転倒予防のために、バランスを向上させる訓練も重要です。片足立ちや足踏みなどの簡単なエクササイズを日常生活に取り入れることができます。

  3. 栄養管理: 骨や筋肉の健康を維持するために、カルシウムやビタミンD、タンパク質を含むバランスの取れた食事が重要です。

  4. 定期的な検診: 定期的に整形外科医の診察を受け、早期に運動器の問題を発見し、適切な対策を講じることが大切です。

まとめ

変形性股関節症とロコモティブシンドロームは、高齢者にとって重大な健康問題です。

これらの疾患を予防し、適切に管理することは、健康寿命を延ばし、活力ある生活を送るために不可欠です。

日常生活の中でできる対策として、適度な運動、バランスの取れた食事、体重管理、定期的な医療チェックが挙げられます。

自身の健康に対する意識を高め、積極的に行動することで、これらの疾患を克服し、充実した生活を送ることが可能となります。

健康的な身体を維持することで、楽しい毎日を過ごすようにしましょう!

健康第一ですよ!

だから何度も言いますが、健康第一ですからね!(笑顔)


変形性股関節症を放置してロコモティブシンドロームにならないように注意しよう!

海鮮丼

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いつか海鮮丼タワーを完食したい整形外科医の塗山正宏でした!

【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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