おはようございます。
年々身体の関節が硬くなっている気がする塗山正宏です。
今回のテーマは、
人工股関節置換術と正座についてです。
よく患者さんに質問されるものとして、
まさみさん
人工股関節置換術の術後って正座は出来ますか?
というものがあります。
人工股関節置換術を受けたあとも、股関節自体が90度近く曲げることが出来れば、正座自体は特に問題なく出来ます。
ただし、正座した状態でお辞儀が出来るかどうかは、手術の方法(切開の位置)によって変わる可能性があります。
一般的な後方アプローチの場合は、人工股関節の後方脱臼に注意が必要なため、正座しながらのお辞儀は股関節が深屈曲になるため注意が必要です。
私が行っている前方系アプローチの場合は、後方に脱臼する可能性が低いため正座した状態でのお辞儀は基本的に可能です。
ただし、前方系アプローチでも手術後早期は、患部周辺の腫脹がありますので避けた方が無難でしょう。
実際、正座してのお辞儀は人工股関節の脱臼リスクを考慮すると術後3か月以降に行うのが良いでしょう。
もちろん股関節や脊椎の柔軟性、膝関節の可動域の問題もあるので、実際に正座が出来るかどうかは別問題ですが・・・。
というわけで、
人工股関節置換術を受けたとしても、前方系アプローチの場合は、ジャパニーズ土下座はやってもらって構わないということですね(笑)。
人工股関節置換術後に正座するのは可能です。
「先日はすいませんでした!!」
大人になってすっかり正座をすることが無くなった整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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