おはようございます。
地球っていつまで存在するのか気になる塗山正宏です。
アース!
今回のテーマは、
人工股関節置換術後のキズについてです。
人工股関節置換術を行う際には必ず皮膚を切ります。
人工股関節を入れるためには皮膚を切らないと、さすがに人工股関節のインプラントを入れることができませんからね(笑)
セロみたいなマジシャンではないので、それは無理です笑。
私が行っている
・仰臥位前外側進入法(ALS:Antero-Lateral Supine Approach)
で手術する際の実際の皮膚の切開の長さは、
・平均的な女性の体形であれば8cm
・身長が低かったり、痩せ型の患者さんであれば6~7cm
・身長が高い、肥満体型、男性の患者さんの場合は9~10cm
くらいになることが多いです。
今まで初回の人工股関節置換術で最も長く切った例は約13cmです。
この患者さんは男性で体重が120キロ位あり、脂肪と筋肉量が大変多く、皮膚から骨までの距離が凄く遠かったためです…(涙)
手術もそれはそれはかなり大変でした・・・(汗)
では、本題の実際術後の創部はどんな状態なのでしょうか?
私が行っている仰臥位前外側進入法(ALS:Antero-Lateral Supine Approach)による人工股関節置換術の場合になりますが、筋肉を切っていないため、筋膜、皮下脂肪、真皮の順番に糸を使って縫合します。
真皮縫合したあとは、切開した皮膚を皮膚用の接着剤でくっつけます。
糸を使って、皮膚は縫合しません。
ホッチキスも使いません!
こんな感じのペン型の皮膚用接着剤を使っています。
切開した皮膚にこれを塗布すると、約1分くらいで固まります。
ちなみに、この皮膚用接着剤の主成分は、「2- オクチルシアノアクリレート」です。
この名称は期末テストには出題されないので、全然覚えなくていいですからね笑
また、患者さんによく質問される内容として、
抜糸ってするのですか?
と聞かれますが、この皮膚用接着剤の場合は抜糸はありません!
接着剤が自然にはがれるのを待つだけです。
それで終わりです。
ちなみに、私の場合は、創部に防水フィルムを手術直後に貼ります。
防水フィルムが貼ってあるので、シャワーはいつでも入れます。
そして、術後約1週間で防水フィルムは剥がします。
傷の処置はなるべくシンプルにしたいですからね。
以上、とやま式のキズの処置についてお伝えしました。
注意:病院や先生によっても、創部の処置は全然変わりますので、ご理解くださいね。
キズの処置もなるべく負担がないようにしています!
「か~め~は~め~~~(以下略)」
実はかめはめ波が打てるかもしれない整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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