おはようございます!
すっかり寝床から出るのが辛くなってきた塗山正宏です。
冬は寒いですね~~♪
今日のテーマは、
人工股関節置換術のアプローチについてです。
今回は久しぶりに、
人工股関節置換術のアプローチについておさらいです!
人工股関節全置換術と言っても手術方法(アプローチ)は色々あります。
一つだけではありません。
手術を行うための進入法(皮膚を切開する位置)が主に4つあります。
4つの手術アプローチがありますが、それぞれ皮膚を切開する位置が変わります。
手術進入法の中でも出来るだけ身体に対する侵襲、ダメージが少ない手術方法を
最小侵襲手術 MIS(Minimally Invasive Surgery)と言います。
MISと一言でいっても当初は、皮膚切開が小さいだけの
最小皮膚切開手術(Minimally incision surgery)のことをMISと言っていました。
しかし、皮膚切開が小さいだけで皮膚の下では、従来と同じように筋肉や腱を切離してしまっていました。
それでは、従来の手術侵襲と大きく変わらなくなってしまいます。
一般的に行われている通常の後方アプローチによる人工股関節全置換術は、最小皮膚切開手術になるかもしれませんが、最小侵襲手術ではありません。
最近は後方アプローチでもなるべく筋肉を温存するアプローチもありますが、それでも何かしらの筋肉を犠牲にすることになります。
現在は、皮膚切開が小さいだけではなく、さらなる低侵襲を目指し、筋肉、腱を切らずに筋肉の間から行う人工股関節全置換術をMISとされています。
人工股関節置換術を専門に行っている病院のホームページなどに「当院はMISで人工股関節置換術を行っています」と記載があっても、実際は皮膚切開が小さいだけの後方アプローチの場合がありますので、どういうMISなのか患者さん自身でよく確認することが大事です。
私自身は殆どの患者さんに、本当の意味でのMISである「筋肉、腱を切らずに筋肉の間から行う人工股関節全置換術」を行っています。
ここでひとつのデータの紹介です。
日本全国では現在アプローチの割合ってどうなっているんでしょうか?
興味ありませんか?ありますよね?あるはずです!笑。
これは2021年度のデータになりますが、人工股関節置換術のアプローチの主流は前方系アプローチになっていますね。
日本全国の人工股関節置換術の半分は前方系のアプローチで行われているわけですね。
10年前くらいまでは後方アプローチが約半分くらいでしたので、逆転していますね。
私の知る限りでも、都内の大きな病院は前方系アプローチで行っている病院がかなり多いと思います。
時代の流れですね。
ちなみに同じアプローチだからって、手術のクオリティは病院によって違うのでそこは認識しておいたほうがいいですね(笑顔)。
以上、人工股関節置換術のアプローチについてトークしてみました!
人工股関節置換術は前方系アプローチが主流になっている!
「だからお化け屋敷は嫌だって言ったじゃないですか!」
ドッキリするのは好きだけどドッキリされるのは苦手な整形外科医の塗山正宏でした。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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