股関節266 人工股関節置換術と術後の通勤

通勤 股関節

おはようございます!
ブログのネタが完全になくなりつつあることに焦る塗山正宏です。
なんとか絞り出して頑張りますけどね笑。





今回のテーマは、

人工股関節置換術と術後の通勤についてです。




塗山先生
塗山先生

今回は外来でよく質問される術後の通勤についてのトークです。

こんにちは。塗山正宏です。

整形外科医として、人工股関節置換術を受けた患者さんが術後に通勤する際の詳細な注意点についてお話しします。

人工股関節置換術は、股関節の機能障害や痛みを軽減するための治療方法ですが、手術後の通勤は患者さんの身体的な回復と安全を考慮して行う必要があります。

  1. 手術後の安静とリハビリテーション: 手術後は、身体の回復を促進するために適度な安静が重要です。通勤を再開する前に、医師や理学療法士の指示に従って適切なリハビリテーションプログラムを受けることが重要です。リハビリプログラムには、筋力を回復させる筋力訓練等のエクササイズや関節の可動域を改善するストレッチが含まれます。

  2. 通勤手段の選択: 通勤手段を選ぶ際には、身体への負担が最小限に抑えられるものを選ぶことが重要です。術後早期は歩行距離が長くなりすぎない事が推奨されます。電車では混雑した満員電車は避けるべきでしょう。自家用車を運転する場合は、運転操作に十分な力と柔軟性が回復している必要があることを忘れないでください。

  3. 歩行時の注意: 歩行中には、安定した靴を着用し、不安定な地面や障害物に注意を払いましょう。杖を使用している時は、適切に調整して安定性を確保してください。また、歩行中に突然の痛みや違和感を感じた場合は、すぐに休憩し、無理しないようにしましょう。

  4. 長時間の座位や立位の避け方: 長時間同じ姿勢で座ったり立ったりすることは、関節や筋肉に負担をかける原因となります。通勤中に長時間座位や立位を続ける場合は、定期的に休憩を取り、ストレッチを行うことが重要です。

  5. 医師とのコミュニケーション: 最後に、通勤を再開する際には必ず医師とのコミュニケーションを大切にしましょう。担当医と相談したうえで、回復の状況をみながら通勤については決めていきましょう。通勤に関する疑問や懸念がある場合は、ためらわずに医師に相談するようにしてください。

  6. 通勤時間と距離の調整: 通勤する際には、初めは短時間や短距離から始めることが重要です。徐々に時間や距離を延ばしていくことで、身体に負担をかけすぎずに適切な運動量を確保することができます。通勤中の疲労や不快感を感じた場合は、距離を短縮したり、通勤手段を変更することを検討してください。

  7. 暑さや寒さへの対策: 天候や気温の変化によって、通勤時の快適さや安全性が影響を受けることがあります。暑い季節には水分補給を忘れずに行い、適切な服装で熱中症や脱水症状を予防しましょう。寒い季節には防寒対策をしっかりと行い、滑りやすい路面での転倒を防止するために適切な靴を履くなどの対策を講じてください。

  8. 心理的な準備とストレス管理: 通勤は身体的な負担だけでなく、心理的な負担も考慮する必要があります。手術後の不安やストレスが通勤に影響を与えることがあるため、リラックスした状態で通勤に臨むことが重要です。音楽を聴いたり、深呼吸をするなど、リラックス効果のある方法を取り入れて、ストレスを軽減しましょう。

  9. 事故や急変時の対処法: 万が一通勤中に事故や急変が起きた場合に備えて、対処法を心得ておくことが大事です。決して無理はしないようにしましょう。

  10. ワークステーションの調整: 通勤後、職場や自宅での作業時には、適切なワークステーションの調整も重要です。デスクや椅子の高さを調整し、正しい姿勢を保つことで、股関節への負担を軽減できます。また、モニターの高さやキーボードの配置など、作業環境を身体にやさしいものにすることが大切です。

  11. 休日や週末のリラックス: 通勤の合間には、休日や週末にしっかりとリラックスする時間を確保しましょう。十分な睡眠をとり、身体を休めることで、通勤時の疲労やストレスを軽減できます。また、趣味やレクリエーション活動に時間を割くことも、心身のリフレッシュに役立ちます。

  12. 定期的なフォローアップ: 通勤を再開した後も、定期的なフォローアップを行いましょう。医師や理学療法士との定期的なチェックや検査を通じて、通勤や日常生活の状況を確認し、必要に応じてアドバイスをもらいましょう。早期に問題を発見し、適切に対処することで、通勤生活を安定させることができます。



人工股関節置換術後の通勤は患者さんにとって重要な段階ですが、安全かつ効果的に行うためには様々な配慮が必要です。

通勤の開始時期は、股関節の回復の状態と通勤での負担を考慮して検討しましょう。

リハビリテーションを十分に受け、医師とのコミュニケーションを保ちながら、通勤生活を安全に再開できるよう心がけましょう!


人工股関節の手術後の通勤は色々と注意しながら再開していきましょう!

アザラシ

「ちょいちょいちょい!ヨダレ垂れてますよ!!」



電車で寝てたら気付いたらヨダレが垂れていたことがある整形外科医の塗山正宏でした。



【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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