おはようございます!
太らないように日々気をつけている真面目な塗山正宏です。
自分に厳しく!
今回のテーマは、
人工股関節置換術とBMIについてです。
BMI!みなさんBMI知ってますか?
人工股関節置換術とBMI
人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty)は、股関節の痛みや機能障害を軽減するために広く行われている手術です。
しかし、患者さんのBMI(Body Mass Index:体格指数)は、この手術の成功率やリスクに大きく影響します。
このブログでは、人工股関節置換術とBMIの関係について説明し、手術成功のための管理方法についても塗山が笑顔で紹介します。
1. 人工股関節置換術とは
人工股関節置換術は、股関節の痛みや機能障害を軽減するために、損傷した股関節を人工の関節に置き換える手術です。
変形性股関節症、特発性大腿骨頭壊死症、関節リウマチ、大腿骨頚部骨折など、さまざまな原因で行われます。
人工股関節は金属やセラミック、プラスチックなどのインプラントで構成されております。
人工股関節のインプラントを骨に固定するためにセメントを用いる場合と、セメントを用いない場合があります。
2. BMIとは
BMIは体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値で、体格を評価するための指標です。以下の基準で評価されます。
日本肥満学会の判定基準 | |
---|---|
BMI値 | 判定 |
18.5未満 | 低体重(痩せ型) |
18.5〜25未満 | 普通体重 |
25〜30未満 | 肥満(1度) |
30〜35未満 | 肥満(2度) |
35〜40未満 | 肥満(3度) |
40以上 | 肥満(4度) |
BMIは、人工股関節置換術の成功率やリスクに影響を与える重要な要因の一つです。
3. BMIと人工股関節置換術の関係
1 成功率への影響
BMIは人工股関節置換術の成功率に影響を与えます。
BMIが高い患者では、手術後の合併症のリスクが増加することが知られています。
一方で、適切な体重管理を行うことで、手術の成功率を高めることができます。
2 手術リスクの増加
BMIが高い患者では、以下のような手術リスクが増加することが知られています:
- 感染症:肥満患者は感染症のリスクが高くなります。皮膚の折り重なりや免疫機能の低下が原因とされています。
- 血栓症:BMIが高いと血栓症のリスクも増加します。血流の停滞や動脈硬化が原因です。
- 術後の回復遅延:肥満患者は術後の回復が遅れる傾向があります。体重が関節にかかる負荷が大きいため、リハビリテーションに時間がかかる可能性があります。
- 人工関節の早期摩耗:BMIが高いと人工股関節にかかる負荷が大きくなり、ステム周囲の骨折や、インプラントにかかる負荷が大きいため通常よりも人工股関節にトラブルが起きる可能性が高くなります。
3 手術の技術的難易度
BMIが高い患者さんの場合、手術自体の技術的難易度が増加します。
手術中の視野確保が難しくなり、手術時間が延びる傾向があります。
皮膚を切開する長さも通常よりも長くなります。
また、肥満患者さんの骨質や軟部組織の状態が手術の難易度に影響を与えることもあります。
4. 手術成功のためのBMI管理方法
1 体重減少プログラム
手術前に体重を減少させることが推奨されます。
適切な体重減少プログラムを導入することで、手術リスクを軽減し、成功率を高めることができます。
医師や栄養士と相談し、バランスの取れた食事や適度な運動を取り入れることが重要です。
2 定期的な運動
適度な運動は、体重管理だけでなく、筋力や柔軟性の向上にも役立ちます。
ウォーキング、水泳、サイクリングなどの低衝撃運動が推奨されます。
これにより、手術後のリハビリテーションもスムーズに進むことが期待されます。
3 医療チームとの連携
手術前の評価や準備は、医療チームとの密接な連携が不可欠です。
整形外科医だけでなく、内科医や栄養士など、各専門家の協力を得て、最適な手術計画を立てることが重要です。
4 精神的サポート
手術に対する不安やストレスを軽減するために、心理的なサポートも重要です。
カウンセリングや家族のサポートを受けることで、良好なメンタルヘルスを保ち、手術へ前向きに取り組む事が出来るようになります。
5. 手術後のフォローアップ
1 リハビリテーション
手術後のリハビリテーションは、股関節の機能を高めるために非常に重要です。
理学療法士の適切な指導のもとで、適切な運動プログラムを実施し、関節の可動域や筋力を回復させることが必要です。
2 定期的な医師の診察
手術後も定期的に医師の診察を受けることで、早期に問題を発見し、適切な対処を行うことができます。
感染症や血栓症の予防、人工股関節の状態の確認など、継続的なフォローアップが重要です。
3 生活習慣の見直し
手術後も健康的な生活習慣を維持することが、人工股関節の長期的な成功に寄与します。
バランスの取れた食事、適度な運動、体重管理を継続することで、関節の負担を軽減し、健康を維持することができます。
まとめ
人工股関節置換術において、BMIは成功率やリスクに大きな影響を与える重要な要因です。
BMIが高い患者さんは手術リスクが増加する可能性があるため、適切な体重管理が重要です。
体重減少プログラム、定期的な運動、医療チームとの連携、精神的サポートなどを通じて、手術成功のための準備を行い、術後も健康的な生活を維持することが求められます。
術後の良好な回復を得るためにも、体重管理は怠らないようにを注意していきましょう。
手術前に体重管理が難しければ、手術後にしっかり体重管理を行っていきましょう。
是非、人工股関節に優しくしてあげてください!(笑顔)
約束ですよ!!
人工股関節置換術におけるトラブルを回避するためにも体重管理は重要です!
「大盛りやきそば食べませんか?笑」
20代の頃はフードファイターを目指していた整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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