おはようございます!
自転車にはずっと乗っていない塗山ですっ!
もう乗れなくなっているもしれない…笑
今回のテーマは、
人工股関節置換術と自転車についてです。
皆さん、生活のなかで自転車は利用していますか!?
自転車がないと買い物いけないのよ…
となると、術後に自転車に乗れないと困ってしまいますね。
人工股関節置換術と自転車
こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。
今回は、人工股関節置換術(THA: Total Hip Arthroplasty)を受けた患者さんが、自転車を利用して健康的な生活を送るためのポイントについて塗山が笑顔でお話しします。
人工股関節置換術とは?
人工股関節置換術は、股関節の痛みや機能障害を改善するために行われる手術です。
主に変形性股関節症や特発性大腿骨頭壊死症、外傷による股関節の損傷などが原因で行われます。
手術では、変形した股関節を人工の関節に置換し、痛みの軽減と股関節の機能回復を図ります。
自転車の利点
自転車は、人工股関節置換術を受けた患者さんにとって非常に有益な運動手段です。以下にその利点を挙げます。
- 低衝撃運動: 自転車運動は低衝撃の有酸素運動であり、股関節に過度な負担をかけることなく、筋力と持久力を向上させることができます。
- 関節の可動域の維持と向上: 自転車運動により、股関節の可動域を広げ、拘縮を防ぐことができます。定期的な運動は、関節の柔軟性を保つのに役立ちます。
- 心肺機能の向上: 有酸素運動としての自転車運動は、心血管系の健康を促進し、全体的な体力を向上させます。
- 筋力強化: 自転車運動は、特に下肢の筋力強化に効果的です。股関節周囲の筋肉を鍛えることで、関節の安定性が向上します。
自転車利用のタイミング
人工股関節置換術後、すぐに自転車に乗ることは避けるべきです。
一般的には、術後3か月程度を目安に、股関節の状態が安定してから自転車を再開することが推奨されます。
まだ股関節の状態や歩行が不安定な状態で自転車に乗ってしまうと、転倒リスクが高くなり、骨折や脱臼などのトラブルが起きる確率が高まってしまいます。
そのため以下のポイントに注意してください。
- 医師や理学療法士の許可:必ず担当医師や理学療法士の許可を得てから自転車に乗り始めましょう。
- リハビリの進行状況:リハビリの進行状況に応じて、自転車の利用を開始します。
- 痛みの有無:痛みや違和感がある場合は無理をせず、医師に相談しましょう。
自転車の選び方
人工股関節置換術を受けた患者さんに適した自転車の選び方についても触れておきます。
- フレームの高さ:乗り降りがしやすい低めのフレームを選びましょう。
- サドルの高さ:股関節に負担をかけないよう、サドルの高さを適切に調整します。
- ハンドルの位置:前傾姿勢になりすぎないよう、ハンドルの位置を調整します。
自転車運動の実施方法
人工股関節置換術を受けた患者さんが自転車運動を安全に行うためのポイントを以下に紹介します。
1. リカンベントバイクの使用
リカンベントバイク(背もたれ付きのリクライニングバイク)は、通常の自転車に比べて股関節にかかる負担が少なく、初期のリハビリテーションに適しています。背もたれが体を支えるため、腰部への負担も軽減されます。
2. 正しいポジション設定
自転車のサドルとハンドルの高さを適切に調整することが重要です。サドルが高すぎると股関節に負担がかかり、低すぎると膝関節に負担がかかります。ペダルを踏み込む際に膝が軽く曲がる程度の高さが理想的です。
3. 徐々に負荷を増やす
最初は軽い負荷から始め、徐々に運動時間と負荷を増やしていきます。痛みや違和感がある場合は、無理をせずに運動を中止し、医師や理学療法士に相談してください。
4. 屋内トレーナーの使用
天候に左右されずに運動できる屋内トレーナーは、リハビリテーションの初期段階において非常に便利です。安定した環境での運動は、安全性が高く、継続的な運動習慣を維持するのに役立ちます。
自転車利用の具体的なステップ
- 初期段階:最初は短時間、平坦な道でのサイクリングから始めましょう。徐々に距離や時間を延ばしていきます。
- 筋力トレーニング:自転車に乗る前に、股関節周囲の筋力を強化するエクササイズを行うと良いでしょう。例えば、スクワットやレッグプレスなどが効果的です。
- ストレッチ:サイクリング前後には必ずストレッチを行い、筋肉や関節の柔軟性を保ちます。
- モニタリング:サイクリング中や後に痛みや違和感がないかを常にチェックし、異常があればすぐに医師に相談します。
まとめ
人工股関節置換術を受けた後も、自転車を利用することで健康的な生活を送ることができます。
低衝撃で心肺機能や筋力を向上させる自転車は、リハビリの一環としても非常に有効です。
ただし、術後早期は屋外で自転車に乗ることは避けましょう。
思わぬトラブルが起きる可能性がありますので絶対に止めましょう。
最低でも独歩が可能な状態まで回復してから自転車に乗るようにしましょう。
必ず股関節の状態が安定して、医師や理学療法士の許可を貰ってから自転車に乗るようにしましょう。
しつこく言いますが、無理は禁物なんですよ。
絶対無理は禁物なんですよ。
医師や理学療法士の指導のもと、安全にサイクリングを楽しみながら、健康な体を維持していきましょう。
ちなみに私は自転車には乗りませんが、エアロバイクには良く乗っています!
運動の一環として取り入れてみてはいかがでしょうか!?
現場の塗山からは以上です!
術後早期にすぐに自転車に乗るは避けましょう!必ず股関節の状態が安定してからで!
「ざるそば大盛!おまたせ!!」
ざるそばは勢いよく吸い込む事が食べる醍醐味だと勝手に思っている整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
コメント