おはようございます!
いつまでもポジティブシンキングで生きていくつもりの塗山です。
アンチには負けない!
今回のテーマは、
変形性股関節症とAPS治療についてです。
今回は自分の血液を利用したAPS治療についてですよ!
APS??なんですかそれは?
変形性股関節症とAPS治療について
こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。
今日は「変形性股関節症とAPS(自己血由来タンパク質)治療」について、耳より情報をお届けします。
変形性股関節症は、関節軟骨が摩耗し、股関節の痛みや可動域の制限を引き起こす慢性疾患ですが、近年注目されている治療法の一つに、自己の血液を用いた再生医療であるAPS治療があります。
変形性股関節症とは?
変形性股関節症(Osteoarthritis of the Hip)は、加齢や過度の股関節の使用によって関節軟骨がすり減り、骨同士が直接接触することで炎症や痛みを引き起こす疾患です。
股関節の変形が進行すると、歩行が困難になり、日常生活にも支障をきたします。
初期段階では薬物療法やリハビリによって症状を抑えることができますが、重度になると人工股関節置換術が必要となることがあります。
APS治療とは?
APS(Autologous Protein Solution)治療は、患者さん自身の血液を採取し、その中から抗炎症作用を持つタンパク質や成長因子を抽出して患部に注射する再生医療(細胞治療)の一種です。
APSはPRP(多血小板血漿)のひとつです。
具体的には、血液を特殊なプロセスで処理し、抗炎症タンパク質を濃縮した溶液を作成し、関節内に直接注入することで炎症を抑え、症状を改善することを目的としています。
この治療は、特に初期の変形性関節症の患者に有効である可能性があります。
APS治療は外来で行う事ができる治療のため、患者さんの負担が少ないという利点があります。
APS治療のメカニズム
APS治療のメカニズムは、自己血由来のタンパク質や成長因子が炎症を抑える役割を果たす点にあります。
変形性関節症の炎症は、主に体内で産生される炎症性サイトカイン(例えば、インターロイキン-1やTNF-α)が関与しています。
APSに含まれる抗炎症性因子がこれらのサイトカインの作用を抑制し、関節内の炎症反応を軽減させることで、関節の痛みや水腫の緩和が期待されます。
APS治療の利点
- 低侵襲: APS治療は患者さん自身の血液を用いるため、副作用のリスクが低く、侵襲性が少ない点が大きなメリットです。
- 外来で治療可能: 入院や長期のリハビリが必要なく、外来での治療が可能です。
- 痛みの緩和: APS治療は痛みを効果的に緩和し、関節機能の改善を助ける効果が期待されます。
APS治療の欠点
- 治療効果の個人差: APS治療の効果は患者さんによって異なり、一部の患者さんには十分な効果が得られない場合があります。治療を受ける前に、医師としっかり相談し、期待できる効果を確認することが重要です。
- 費用: 再生医療は現状保険適用外になっており、APS治療も費用が高額になる可能性があります。
- 効果の持続性: APS治療の効果は一時的であり、どれくらい長期的に効果が維持されるかは患者さんの状態によって変わります。
まとめ
APS治療は、変形性股関節症に対する新しい治療法として注目されています。
自己血由来のタンパク質を用いることで、股関節の痛みを緩和し、炎症を抑えることが期待されますが、効果には個人差があり、適応するタイミングや症状に応じた判断が必要です。
また重要なポイントとしては、変形した股関節が治るわけではありません。
そうなんです、変形が治るわけではありません。
そして、APS治療で股関節の軟骨が再生するわけではありませんので、そこの部分は理解しておくことが重要です。
というわけで、長引く股関節の痛みに、痛みをコントロールする方法のひとつとしてAPS治療を選択するのはありでしょう。
以上、塗山が笑顔でお伝えいたしました!
変形性股関節症による痛みをコントロールするのに、APS治療を行う選択肢もあり。
「ガハハハハハハ!!」
毎日笑って生きていきたい整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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