おはようございます!
足腰をいつまでも健康に保っていたい塗山です。
よし、今日もスクワットじゃ!
今回のテーマは、
人工股関節置換術後の草むしりについてです。

草むしりやってますか?

まったくやってませんね!

は、はい…苦笑
人工股関節置換術後に草むしりはしてもいいの?安全な庭作業のポイント
こんにちは~っす。
整形外科医の塗山正宏ですYO!
本日もこのブログを見てくれる20人くらいを相手にトークしていきますね!
では、始めていきます!
人工股関節置換術(Total hip arthroplasty:THA)を受けた患者さんから、こんな質問をよくいただきます。

先生、庭の草むしりっていつからできますか?
庭作業、とくに草むしりのような前かがみ姿勢は、術後の股関節に思わぬ負担をかける可能性があります。
この記事では、
・「草むしりはいつからOKか?」
・「どんな姿勢が危ないのか?」
・「どうすれば安全にできるか?」
について、最新の知見と文献をもとに整形外科医の塗山正宏が優しい微笑みを交えながら詳しく解説します。
🌱 草むしりが人工股関節に与えるリスクとは?
人工股関節置換術後の生活で最も注意すべきリスクの1つが「脱臼」です。
特に、股関節を深く曲げて、内側に捻る動き(屈曲+内転+内旋)は、脱臼の原因となります。
草むしりで起こりやすい姿勢
- 深くしゃがむ(股関節屈曲90°以上)
- 前かがみで左右に体をひねる(内旋+屈曲)
- 長時間同じ姿勢を維持する
これらは、特に後方アプローチで手術を行った患者さんにとって脱臼リスクが高まる動作です。
📘【参考文献】
Kwon MS, et al. J Bone Joint Surg Am. 2006;88(8):1794-1800.
→ 後方アプローチ術後の脱臼は、90%以上が屈曲+内転+内旋の組み合わせによって生じていた。
📅 草むしりはいつからできるの?
一般的には、術後3か月以降に再開が目安です。
ただし以下の条件を満たすことが前提です。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 股関節の可動域が安定 | 曲げ伸ばし・立ち上がり動作に不安がない |
| 脱臼リスクを理解している。 | 禁忌肢位の理解がある |
| 筋力とバランスが回復 | 特に中殿筋・腸腰筋の回復が重要 |
| 医師が許可している | 診察や画像検査で異常なしと判断されている |
✅ 草むしりを安全に行うためのポイント
- 長時間の前屈姿勢を避ける
→ 小まめに立ち上がり、背中や股関節を伸ばしましょう。 - 低い椅子やガーデニングスツールを使用する
→ 直接しゃがまず、膝と股関節の角度を浅く保てる座位で作業。 - 片膝立ちや和式しゃがみの姿勢に注意
→ とくに術後3か月以内は要注意です。 - 作業は15〜20分で休憩を入れる
→ 同じ姿勢の持続は関節と筋肉に負担がかかります。 - 作業中の体勢を写真や動画で確認する
→ 家族に撮ってもらい、自分の姿勢が危険ではないかチェックすると安心。
🧘♂️ 草むしり前のおすすめ準備運動
術後の可動域を保つためにも、草むしり前に簡単な準備運動を行いましょう。
- 中殿筋エクササイズ(サイドレッグレイズ)
- 大腿四頭筋の軽いストレッチ
- 股関節の軽い回旋運動
❗注意:こんな症状が出たら中止して受診を
- 作業中にガクッとする感覚があった
- 急に股関節が痛み出した
- 膝や下肢に違和感やしびれが出た
→ 人工股関節の脱臼、周囲の筋肉などの軟部組織損傷の可能性も。
無理をせずすぐに病院を受診しましょう。
🌿 まとめ
人工股関節置換術後に草むしりをする場合には、安全な道具やサポートアイテムを活用しましょう。
特に術後早期の股関節の状態が安定していない時期は草むしりをやるのは避けましょう。
草むしりは術後3か月以降が目安となります。
ただし、主治医に必ず確認してから行うようにしてください。
草むしりは、しゃがむ・ねじる動作に注意しながら行いましょう。
無理は禁物ですからね!
以上、参考になりましたでしょうか!?
では、また!!
草むしりを行うのは股関節の状態が落ち着く術後3か月以降が目安になります。

「うに丼!!」
ウニをたんまり食べたいけど尿酸値が上がりそうな気がして怖い整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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