おはようございます!
朝起きたらとりあえずトイレに向かう習慣がある塗山です。
今回のテーマは、
人工股関節置換術後の車の運転についてです。

車がないと生活に困る方いますよね?

買い物にいくのに車が必要なんです…。
人工股関節置換術後の車の運転
1. はじめに
人工股関節置換術(THA:Total Hip Arthroplasty)は、変形性股関節症や大腿骨頭壊死症、関節リウマチなどによって股関節の痛みや可動域制限が進行した患者さんに行われる代表的な手術です。
術後は痛みの改善や歩行機能の回復が期待できますが、日常生活において多くの方が早く再開したいと考える活動のひとつに「車の運転」があります。
しかし、手術直後に安易に運転を再開すると、反応速度低下や可動域制限、脱臼リスクなどにより事故の危険が高まります。
本記事では、整形外科医としての臨床経験と最新の文献を踏まえ、安全な運転再開の目安・注意点・実践的アドバイスを整形外科医の塗山正宏が微笑ましく詳しく解説します。
2. なぜ運転再開時期が重要か
人工股関節置換術後は、以下の理由から運転再開には慎重さが求められます。
- 反応時間の遅延
術後間もない時期は、痛みや筋力低下、神経の回復遅延によってブレーキ操作までの時間(反応時間)が延びます。危険回避能力が低下することは交通事故の大きなリスクです。 - 可動域制限
車の乗り降りやペダル操作には股関節の屈曲・外旋動作が必要ですが、術後はリハビリ中で動きが制限されます。 - 疼痛や腫脹
長時間座位による股関節の不快感や痛みは集中力を低下させます。 - 脱臼リスク
特に術後早期は股関節が安定しておらず、運転席での無理な姿勢や乗車時の動作で脱臼を招く可能性があります。
3. 文献から見る運転再開時期
複数の研究により、人工股関節置換術後の運転再開に関するデータが報告されています。
- Ganz SB, et al. (2003, J Bone Joint Surg Am)
右THAでは術後4〜6週で反応時間が術前レベルに回復、左THAではやや早く回復。 - MacDonald W, Owen JW. (1988, J Arthroplasty)
右側手術はブレーキ操作の遅延が長く続くため、6週程度の回復期間が推奨される。 - Dalury DF, et al. (2011, Clin Orthop Relat Res)
早期運転再開は事故リスクを増加させる可能性があり、筋力と反射の回復を確認する必要がある。
これらを踏まえると、一般的には術後4〜6週間が安全な再開目安となります。
4. 運転再開前のチェックリスト
運転を再開する前に、次の条件をクリアしているか確認してください。
- □ 主治医の許可がある
- □ 痛みなくアクセル・ブレーキを操作できる
- □ 緊急時に素早く足を動かせる
- □ 車の乗り降りがスムーズにできる
- □ 長時間座っても股関節の強い違和感がない
5. 乗り降りのコツ(脱臼予防)
- シートを最大限後方にスライド
股関節の屈曲角度を減らし安全性を高めます。 - お尻から座り、足をまとめて回転させる
片足ずつ無理に入れない。 - 低い座面や深いバケットシートは避ける
股関節が過屈曲し脱臼の原因になります。
6. 安全な再開に向けたリハビリの重要性
運転に必要な反応時間・筋力・可動域は、適切なリハビリで効率的に回復できます。
- 大腿四頭筋・殿筋の筋力強化
- 股関節屈曲・伸展ストレッチ
- 模擬運転動作トレーニング(ペダル操作のシミュレーション)
7. 注意点と法的側面
- 手術後すぐに運転して事故を起こした場合、過失責任が問われる可能性があります。
- 自動車保険契約によっては、医師の運転許可がない場合に保険金が減額または支払われないことがあります。
- 海外では運転再開のガイドラインが明確化されている国もあり、日本でも今後標準化が進む可能性があります。
8. まとめ
人工股関節置換術後の運転再開は、私が行っている手術の場合には術後約1か月程度を目安にしていますが、個人差がありますので、股関節の回復の状況をみて判断しましょう。
右股関節の手術はブレーキ操作の関係で左股関節より運転能力の回復は遅くなります。
運転再開前には筋力・反応時間・可動域の回復を確認し、必ず主治医の許可を得るようにしましょう。
たまに術後早期に勝手に運転している方がいますが、事故を起こしてからでは取り返しがつかないので辞めましょうね。
人生が狂ってしまいますよ。
以上参考になりましたでしょうか!?
では、さらば!
人工股関節置換術後の車の運転は主治医の許可をもらってから運転するようにしよう!

「プッチンプリンなのに、プッチンしないのですか?」
プッチンプリンでは必ずプッチンする派の整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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