膝関節125　変形性膝関節症に鏡視下半月板切除や鏡視下デブリドマンは有用か？

おはようございます！
日々チキンを食べているチキン塗山正宏です。
誰が！チキン野郎だ！




今回のテーマは、

変形性膝関節症に鏡視下半月板切除や鏡視下デブリドマンは有用か？についてです。

では、改めてもう1回言います。

変形性膝関節症に鏡視下半月板切除や鏡視下デブリドマンは有用か？です。

では、結論です。

変形性膝関節症の診療ガイドラインによりますと、

「変形性膝関節症に対する鏡視下半月板部分切除や鏡視下デブリドマンの有用性は限定的であり、治療法としては行わないことを提案する。」

エビデンスの強さ
B：効果の推定値に中程度の確信がある

鏡視下半月板切除というのは、内視鏡を用いて膝関節のクッションである半月板を切除する手術です。

鏡視下デブリドマンというのは、内視鏡で膝関節のなかを関節鏡で観察し、痛みの原因となっている滑膜や傷んだ半月板を除去する手術です。

手術の名称は違いますが行う処置の内容はあまり差がないように思います。

これらの鏡視下手術の除痛効果としては、術後1年時はヒアルロン酸注射や運動療法と比較して有意差がないとするデータがあります。

また、術後2年時の膝関節の状態も運動療法との差がないとする報告があります。

術後5年間での人工膝関節置換術への移行率では、鏡視下手術群と運動療法群で有意差がないという報告がされています。

また、鏡視下半月板切除を行う事で人工膝関節置換術への移行率が3倍になったという報告もあります。

というわけで、まとめてみますと、

「鏡視下手術による除痛効果、膝関節機能改善効果は少なく、人工膝関節置換術への移行を抑制する効果も認められなかった」

ということですね。

確かに以前は変形性膝関節症に鏡視下手術をしていた時期もあったかと思いますが、現在はあまり行われなくなっていると思います。

やはり、エビデンス的には手術による効果は期待できないってことですね。

「とろろご飯好きな人、いいね！押してください！」

たまにとろろご飯を食べたくなるけど年に1回も食べない整形外科医の塗山正宏でした。

【執筆】塗山正宏　医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医