おはようございます!
股関節と膝関節に愛着をもっている塗山正宏です。
今回のテーマは、
人工膝関節全置換術についてです。
膝関節のクッションである軟骨がすり減ってしまう病気が、変形性膝関節症です。
軟骨がすり減ってしまうことにより、骨と骨の隙間が全くなくなっている状態で、硬い骨同士がこすれ合うために痛みを感じます。
痛みのせいで歩行に支障が出ます。
膝の曲がりが悪くなり、膝が伸びなくなってきます。
変形性膝関節症には様々な治療方法がありますが、まず日常生活指導、運動療法、装具療法、薬物治療などの保存療法を行います。
保存療法を行っても痛みが取れない場合に行う代表的な手術が人工膝関節全置換術です。
人工膝関節全置換術とは、すり減った軟骨と傷んだ骨と半月板を切除して金属やプラスチックでできた人工の関節に置き換える手術です。
人工膝関節は、金属製の大腿骨コンポーネント、脛骨コンポーネント、プラスチックでできたベアリングが大腿骨と脛骨の間にはまるようになっています。
また、膝蓋骨の裏にもプラスチックで出来たインプラントを設置します。
人工膝関節によって滑らかな膝関節の動きが再現できます。
痛みの原因となるすり減った軟骨と傷んだ骨が人工物に置き換えられて痛みがなくなることで、日常の生活動作が楽になることが期待できます。
最新の人工膝関節では、人工関節自体の性能が以前と比べ格段に良くなっていることにより耐久性が改善され、20~30年以上機能することが予想されています。
また、人工膝関節全置換術に年齢制限はありません。
高齢であっても体力さえあれば年齢が90代でも手術を受けることは可能です。
高齢だからといって諦めないでください!
変形性膝関節症が進行してしまった場合には、人工膝関節置換術を検討しましょう
整形外科の手術は受けたことがない整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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