おはようございます!
お腹一杯ご飯を食べた時に幸せを感じる塗山です。
あ~、はらいっぺぇだぁ~笑。
今回のテーマは、
変形性膝関節症とCT検査についてです。

本日はCT検査についての話です。

CT検査は受けたことあるわね。
変形性膝関節症にCT検査は必要?MRIとの違いや役割とは?
こんにちは。整形外科専門医の塗山正宏です。
膝についてお話する時間がやってまいりました!
「変形性膝関節症とCT検査」というと、一般の患者さんには少し馴染みの薄い組み合わせかもしれません。
レントゲンで膝の変形が確認されたあと、「次はCTを撮りましょう」と言われて戸惑った経験はありませんか?
この記事では、CT検査がどんな場面で使われるのか、MRIとの違いは何か、整形外科医の塗山正宏がスマイル満載でわかりやすく解説します。
1. 変形性膝関節症と画像検査:なぜレントゲンだけでは足りないのか?
膝の痛みを感じて整形外科を受診した際、最初に行われるのがレントゲン検査(X線検査)です。
これは膝の骨の変形や軟骨のすり減り具合を評価する上で基本となる検査です。
しかし、以下のような場合、CT検査が必要になることがあります(Fujii T, et al.2017)。
- 骨の形状が複雑で正確に評価したいとき
- 人工膝関節の手術を予定していて、術前に精密な骨の情報が欲しいとき
- レントゲンだけでは病状の進行度がはっきりしないとき
2. CT検査とは?3Dで骨の状態を可視化
CT(コンピュータ断層撮影)は、X線を使って体の断面を撮影し、3次元的に再構築する検査です。
CTでわかること
- 膝関節の骨の正確な形状
- 骨棘(こつきょく:骨のトゲ)の大きさや位置
- 骨嚢胞(こつのうほう:骨の中の空洞)
- 骨の変形の方向と程度
特に、手術前のプランニングには欠かせない情報を提供してくれます。
3. CTとMRI、どう違う?どちらを受けるべき?
MRIとCTの違いを以下にまとめます。
簡単に言えば、骨の状態を見るにはCT、軟部組織を見るにはMRIという使い分けになります。
特徴 | CT検査 | MRI検査 |
---|---|---|
見える組織 | 骨が得意 | 軟骨・靭帯・半月板が得意 |
放射線被ばく | あり | なし |
検査時間 | 数分 | 約20〜30分 |
向いている病態 | 骨の変形・骨棘・手術前計画 | 半月板損傷・靭帯損傷など |
4. どんなときにCT検査が行われるのか?
1. 人工膝関節置換術(TKA)を予定している場合
膝の骨の角度や大きさを精密に評価し、オーダーメイドの手術計画を立てるためにCTは非常に役立ちます。(Victor J, et al.2014)
- 骨切りの位置
- インプラントのサイズや方向
- 関節のアライメント(整列)
などを立体的に把握できます。
2. レントゲンで評価困難な骨の変形がある場合
極端なO脚・X脚、外傷歴がある膝など、複雑な骨変形の評価にはCTが有効です。
5. CT検査のメリット・デメリット
メリット
- 骨の状態を立体的に把握できる
- 手術計画に欠かせない
- 短時間で撮影可能
デメリット
- 放射線被ばくがある
- 軟骨や半月板の状態はわかりにくい
6. 参考文献
・Fujii T, et al. The use of three-dimensional CT for preoperative planning in total knee arthroplasty. J Orthop Sci. 2017;22(2):289-295.
・Victor J, et al. The role of CT-based patient-specific instrumentation in total knee arthroplasty. Orthop Traumatol Surg Res. 2014;100(3):337-344.
・Guermazi A, et al. Imaging of osteoarthritis. Radiologic Clinics of North America. 2009;47(4):713–731.
7. まとめ:CT検査は変形性膝関節症の正確な診断と治療に役立つ
CT検査は、変形性膝関節症のすべての患者さんに必要というわけではありません。
しかし、骨の正確な形状を把握する必要がある場面では大きな力を発揮します。
特に、手術を検討している患者さんや、レントゲンでは診断が難しいケースでは、CT検査は強力な診断ツールとなります。
気になる症状や治療法については、整形外科専門医に相談してみましょう!
以上、整形外科医の塗山が手術室からお伝えしました!
では、また!
膝関節の状態を細かく評価するにはCT検査は有用です!

「おかげ横丁!」
たまに伊勢神宮に行きたくなるけどなかなか行けない整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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