雑記30 リハビリは「急がば回れ」

リハビリ 雑記

急がば回れ」ということわざは、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。

意味は、「急いで目的を達成しようとするならば、かえって遠回りに見える方法を取った方が結果的には早く着実に進める」というものです。

これは、まさに私たち整形外科の診療や、術後のリハビリにおいて患者さんにお伝えしたい考え方ですね。




術後リハビリに焦りは禁物

たとえば人工膝関節置換術や人工股関節置換術を受けた患者さんは、「早く元の生活に戻りたい」「一刻も早く歩けるようになりたい」と願うあまり、無理をしてしまうことがあります。

本当によくあります。

しかし、関節周囲の軟部組織の回復や、筋力・可動域の改善には時間と段階的なアプローチが必要です。

焦って痛みを我慢して動かし過ぎたり、指導された制限を無視して動いてしまった結果、炎症の再燃や再入院、人工関節の脱臼や緩みにつながるリスクがあります。




遠回りに見える「基礎固め」が、最短の回復ルート

逆に、医師や理学療法士の指導のもとで、一歩ずつ、丁寧に体を整えていく人ほど、半年後・1年後には安定した歩行や日常生活を取り戻しているケースが多いのです。

つまり、リハビリにおける「急がば回れ」とは、「急ぎたい気持ちを抑えて、正しい手順を守ることが、最も早く回復する道である」ということなのです。

いつも言ってますが、無理は禁物なのです。




私が患者さんに伝えたいこと

手術や保存療法を選ぶ場面、回復までの道のり、膝や股関節に痛みを抱えながら生活する中で、時に「なぜこんなに時間がかかるのだろう」と感じることもあるでしょう。

しかし、「急がば回れ」の言葉を思い出してください。

遠回りのように見える道にも、意味があります。

焦らず、着実に歩みましょう。

整形外科治療は、人生の質を高めるための長距離走のようなものです。

近道を探すよりも、信頼できる医療チームとともに、確かな道を進むことが大切だと私は考えています。

焦らずじっくり進めていきましょう。

焦りは禁物ですよ。




まとめ

「急がば回れ」は整形外科のリハビリにも当てはまる身に染みる格言ですね。

無理な早期復帰は、かえって回復を遅らせることがあるを認識して、リハビリを進めていきましょう。

地道な努力と正しい手順が、最も早く安全な回復の道ですからね。

焦りは禁物!





【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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