股関節167 変形性股関節症とヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸注射 股関節

おはようございます!
将来は頭が禿げたらカツラをかぶろうかなと思っている塗山正宏です。
しかも、かぶっているのがバレバレなやつで笑。



今日のテーマは、

変形性股関節症とヒアルロン酸注射についてです。




ヒアルロン酸は、グリコサミノグリカンの一種で、保水性が高く水分保持により粘性を持ちます。

生体内に広く分布し、皮膚、軟骨、眼球では重要な役割を持っています。

ヒアルロン酸は関節液に粘り気や弾性を与えることで、クッションの役割を担うように働いています。

実際ヒアルロン酸注射は、主に変形性膝関節症肩関節周囲炎に使用されています。

変形性膝関節症にはヒアルロン酸注射が使用できるのですが、実は変形性股関節症にはヒアルロン酸注射の適応がありません。

適応がないということは、保険診療では使う事が出来ないということです。

変形性股関節症にヒアルロン酸注射を使うとすると自費診療になってしまいます。

また、ヒアルロン酸注射が変形性股関節症に短期的には有効であったという報告はありますが、長期的な効果は不明とされています。

私自身は保険診療で使えない事もあり、基本的には変形性股関節症にヒアルロン酸注射は行っていません。

しかし、2021年5月にヒアルロン酸にジクロフェナク(消炎鎮痛薬NSAIDの一種)を化学的に結合させた、ジョイクル®(一般名ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム)が発売されました。

ジョイクルはヒアルロン酸にジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤であり、加水分解によりジクロフェナクを遊離します。

ジョイクルは、変形性関節症(膝関節、股関節)の治療薬として承認されており、4週間に1回、関節腔内への投与により、その症状を改善することが期待されます。

ジョイクルは変形性股関節症にも適応がありますので、保険診療で注射をする事が可能です。

ただし、ジョイクルはアレルギー反応が出る方がいらっしゃるので要注意です。

このヒアルロン酸注射は決して股関節の変形が治るわけではないので、私自身は積極的には行っておりません。

以上、変形性股関節症とヒアルロン酸注射のよもやま話でした。


変形性股関節症には、ジョイクルというヒアルロン酸注射があります。

「とめいとぅ!」

トマトのことをついつい「とめいとぅ」と言いたくなる整形外科医の塗山正宏でした。



【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

コメント

タイトルとURLをコピーしました