格言 Season184

格言 格言

1. 人工関節手術後に本当に大切なこと

整形外科医の塗山正宏ですよ!

人工股関節置換術や人工膝関節置換術を受けた患者さんから、
こんな言葉を聞くことがあります。

けいこさん
けいこさん

手術は終わったのに、まだ思うように動けません。

さとしさん
さとしさん

関節は新しくなったはずなのに、なぜ時間がかかるのですか?




その問いに対する答えが、この言葉です。

塗山先生
塗山先生

関節は新しくできても、回復は毎日の積み重ねでしか生まれません。




2. 人工関節=すぐ元通り、ではない

人工関節手術は、
壊れた関節を人工物に置き換える治療です。

しかし置き換わるのは、関節だけ

  • 筋肉
  • 靱帯
  • 神経
  • バランス感覚

これらは手術で一瞬にして元に戻るわけではありません。

身体は「使いながら」回復するものなのです。


3. 回復を決めるのは、手術後の“日常”

同じ手術を受けても、回復には個人差があります。
その差を生む最大の要因は、術後の毎日の過ごし方です。

  • 少しでも歩く
  • 指示された運動を続ける
  • 無理をしすぎない
  • 痛みを正しく理解する

派手なことは必要ありません。
大切なのは、やめないことです。


4. 「今日は何もしない」が積み重なるとどうなるか

回復期にありがちな落とし穴があります。

  • 痛いから今日は休もう
  • 忙しいから今日はやめておこう
  • 明日から頑張ればいい

これが何日も続くと、

  • 筋力低下
  • 関節のこわばり
  • 歩行不安
  • 自信の低下

という悪循環に陥ります。

逆に言えば、
1日5分の積み重ねが、この流れを止めます。


5. 回復は「直線」ではなく「階段」

人工関節手術後の回復は、

  • 良くなったと思ったら少し戻る
  • 痛みが増えた日がある
  • 不安になる日がある

こうした波を伴います。

しかし、
振り返ると必ず一段上に立っている。

それが、正しい回復の姿です。


6. 医師ができること、患者さんにしかできないこと

医師は、

  • 手術を安全に行う
  • 回復の道筋を示す
  • 危険を避ける

ことができます。

しかし、毎日の一歩を積み重ねることは、患者さんにしかできません。

だからこそ、回復は「医療」と「日常」の共同作業なのです。


7. 最後に ― 回復を焦らないでください

人工関節は、人生を前に進めるための強力な道具です。

しかし、その力を引き出すには時間が必要です。

塗山先生
塗山先生

関節は新しくできても、回復は毎日の積み重ねでしか生まれません。

今日の一歩は小さくても構いません。

止まらず、続けること。

それが、半年後、1年後の大きな違いになります。

私は、その積み重ねを支えるために存在しています。

継続は力なり。

がんばりましょう。




【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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