おはようございます!
人生のなかで色々決断をしなければならない事があると感じる塗山です。
今回のテーマは、
人工股関節の手術を迷っているあなたへに塗山からのメッセージです。

人工股関節の手術はいつ受けたらいいのか悩みますよね…

先生、教えてください…
【整形外科医・塗山正宏より】人工股関節の手術を迷っているあなたへ
1. はじめに|「まだ迷っていて大丈夫ですよ」
― 外来で何百回も答えてきた「決断」の話 ―
人工股関節の手術を勧められたとき、
多くの患者さんが、少し困ったような表情でこうおっしゃいます。

先生、まだ迷っているんですけど…
私はいつもこう答えます。

それでいいですよ。迷わない人の方が少ないですから。
人工股関節の手術は、急いで決めなければならない手術ではありません。
そして、迷うだけの価値がある手術です。
この記事は、外来で私が実際にお話ししている内容を、できるだけそのままの言葉でまとめたものです。
2. まず大前提|人工股関節は「命を救う手術」ではありません
誤解を恐れずに言います。
人工股関節置換術は
- 今日やらないと命に関わる
- 今すぐ決断しないと手遅れ
という手術ではありません。
だから私は、その場で手術を強引に勧めたことは一度もありません。(もちろん緊急で手術をやらないといけないケースもないわけではありません。)
ただし同時に、「変形性股関節症はずっと我慢し続けても治らない病気である」ということも、必ずお伝えしています。
3. なぜ、こんなに迷うのか|外来で本当によくある3つの理由
① 「まだ歩けているから」
これは本当に多いです。

先生、まだ歩けるんです。だから早いかなと思って…
でも私は、心の中でこう考えています。
「歩けてはいるけれど、“無理して歩いている”のでは?」
- 痛み止めを飲みながら
- 行きたい場所を減らしながら
- 周りに気を遣いながら
歩けていることと、
満足して生活できていることは、別物です。
② 「手術が怖い」
これは当然です。
正直に言えば、怖くない方が不思議です。
麻酔、痛み、合併症。どれも現実的な不安です。
ただ、今の人工股関節手術は私が医師になった頃と比べても、安全性も再現性も格段に高くなっています。
「怖い」という感情は大切ですが、怖さだけで判断しないでほしい。
それが、医師としての本音です。
③ 「もう少し我慢できそうな気がする」
これは一番、注意が必要です。
我慢はできます。
多くの方が、驚くほど我慢強い。
ただ、我慢を続けた結果として、
- 筋力が落ちる
- 歩き方が崩れる
- 気持ちまで縮こまる
こうした状態で手術を迎えると、術後の回復に時間がかかる傾向があります。
4. 私が外来で大切にしている「判断の軸」
レントゲンは大切です。
でも、レントゲンだけで手術は決めません。
私が必ず聞くのは、こんなことです。
- 今、何を我慢していますか?
- 本当は、何をしたいですか?
- 痛みのせいで、やめたことは何ですか?
「画像」より「生活」。
これが、私の手術をやるかどうかの判断基準です。
5. それでも「今すぐ手術じゃない人」もいます
ここは誤解しないでください。
私は全員に手術を勧めるわけではありません。
- 痛みが軽い
- 生活に大きな支障がない
- リハビリでコントロールできている
こうした方は、無理に手術を選ぶ必要はありません。
「手術をしない」という選択も、もちろんあるわけです。
6. 外来でよくある質問に、そのまま答えます
Q. もう少し我慢しても大丈夫でしょうか?
A.
「生活の質がこれ以上下がらないなら」大丈夫です。
ただし、下がり続けているなら、一度立ち止まって考えましょう。
Q. 手術が失敗することはありますか?
A.
手術は合併症を起こすリスクはあります。
事前に合併症のリスクを理解していただくことが重要です。
納得せずに受ける手術は、成功しても満足につながりにくいからです。
ただし、私は合併症を起こさないように全力を尽くします。
Q. 手術を受けた人は、後悔していますか?
A.
正直に言います。
後悔している方もいます。
それは、「もっと早く受ければよかった」という後悔です。
7. 整形外科医として、個人的な想い
私は、手術を受けさせたいわけでも、手術を避けさせたいわけでもありません。
ただ一つ思うのは、

痛みを我慢することが、
人生の目的になってしまってはいけません。
ということです。
人工股関節は、人生を変える“魔法”ではありません。
でも、人生を取り戻す「道具」にはなります。
8. 最後に|決めるのは、あなたです
人工股関節の手術に「このタイミングが正解」という答えはありません。
でも、
- 知らないまま我慢する
- 怖さだけで先送りする
これは、後悔につながりやすい選択です。
納得して決めてください。
そのためのお手伝いをするのが、整形外科医の塗山の役割だと思っています。
ひとりでも悩んでいる方を助けられればと思います!
では、筋トレに行ってきます。
変形性股関節症は治る病気ではありません。適切な時期な手術を決めましょう!

「健康的な生活って良いわね!」
いつまで健康的に生きていたいと願い続けている整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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