膝関節163 変形性膝関節症とO脚

O脚 膝関節

おはようございます!
決して膝を悪くしたくない塗山です。
それには筋肉を落とさないようにしないと!




今回のテーマは、

変形性膝関節症とO脚についてです。




塗山先生
塗山先生

こんにちは!
みなさんお待ちかねの整形外科医の塗山正宏です。

今回は「変形性膝関節症とO脚」というテーマで、これらの関係性と治療について笑顔でお話しします。

変形性膝関節症は、多くの方が経験する膝の痛みや変形を引き起こす疾患であり、特にO脚との関連が深いです。

この記事では、そのメカニズムや治療方法について詳しく解説します。


変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症(膝OA: Osteoarthritis of the Knee)は、膝関節の軟骨がすり減り、膝関節に炎症や痛みを引き起こす慢性的な疾患です。

初期の段階では軽い違和感や痛みがある程度ですが、進行するにつれて膝が腫れたり、膝関節の可動域が制限されたりします。

最終的には、膝関節の変形が起こり、日常生活に支障をきたすことがあります。


O脚とは?

O脚は、医学的には内反膝(Genu Varum)と呼ばれ、立ったときに膝が外側に湾曲し、両膝の間に隙間ができる状態を指します。

日本人は元々生理的に内反膝の人が多いと言われています。

O脚が進行すると、膝関節の内側に過度な負担がかかり、変形性膝関節症のリスクが高まることが知られています。




変形性膝関節症とO脚の関係

O脚は、変形性膝関節症の発症や進行に大きく関与しています。

O脚の人は、膝の内側にかかる負荷が増加し、軟骨がすり減りやすくなります。

これは、以下のメカニズムによるものです。

  1. 膝関節の内側への負荷集中: O脚の状態では、歩行や立位の際に膝関節の内側(内側半月板や内側の軟骨部分)にかかる負荷が増加します。これにより、内側の軟骨がより早く摩耗し、炎症や痛みが生じます。

  2. 不安定な関節構造: O脚によって膝関節が不安定になることで、膝関節周囲の筋肉や靭帯に過剰な負担がかかり、膝の安定性が低下します。これが変形性膝関節症の進行を加速させる一因となります。

  3. 二次的な変形: O脚の状態が続くと、膝関節全体が変形し、膝関節の可動域がさらに制限されます。これにより、症状が悪化し、歩行や日常生活に大きな影響を及ぼします。

変形性膝関節症とO脚の治療法

O脚が原因で変形性膝関節症が進行している場合、早期に適切な治療を行うことが重要です。

以下に、主な治療法を紹介します。

1. 保存的治療

初期の変形性膝関節症や軽度のO脚の場合、保存的治療が選択されることが多いです。

  • 体重管理: 体重が増加すると膝関節への負担が増えるため、適切な体重管理が重要です。

  • 運動療法: 膝周囲の筋肉を強化することで、関節への負担を軽減し、症状の進行を抑えます。特に、大腿四頭筋やハムストリングスの強化が効果的です。

  • 装具療法: 膝の内側にかかる負荷を軽減するために、O脚矯正用の装具(インソールやブレース)を使用することがあります。

2. 薬物療法

痛みや炎症が強い場合には、薬物療法が行われます。

  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs): 痛みや炎症を軽減するために使用されます。

  • ヒアルロン酸注射: 関節内にヒアルロン酸を注入することで、軟骨の保護や関節の滑りを改善します。

3. 手術療法

保存的治療で効果が得られない場合や、変形が進行している場合には手術が検討されます。

  • 高位脛骨骨切り術(HTO): O脚を矯正するために、脛骨を切り、脛骨の角度を再構築する手術(O脚→X脚)です。これにより、膝の内側にかかる負荷を外側に分散させ、軟骨の摩耗を防ぎます。

  • 人工膝関節置換術(TKA): 進行した変形性膝関節症の場合、損傷した膝関節を人工関節に置き換える手術が行われます。これにより、痛みが軽減し、膝の機能が改善されます。


予防と日常生活での工夫

O脚や変形性膝関節症を予防するためには、日常生活での工夫が重要です。

  • 正しい姿勢を保つ: 立ち方や歩き方を意識し、膝に過度な負担がかからないようにしましょう。

  • 適度な運動: 定期的な運動は、筋力を維持し、膝関節の安定性を保つために必要です。ただし、過度な運動は逆効果となることがあるため、無理のない範囲で行いましょう。

  • サポートグッズの利用: インソールやサポートブレースなどを使用することで、膝への負荷を軽減することができます。



まとめ

変形性膝関節症とO脚は、密接に関連しています。

早期に適切な治療を行うことで、膝の健康を保ち、日常生活の質を向上させることが可能です。

膝の痛みや変形が気になる方は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。

どんな病気もやはり早期対処がとても大事ですよ!

一生膝に困らない人生を歩んでいきましょう~!

みんなで頑張っていきましょう。

以上、塗山でした!


変形性膝関節症になるとO脚が進行してくるので要注意!

犬

「それ帽子じゃないから!!」

禿げたらカツラをかぶるつもりの整形外科医の塗山正宏でした!


【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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