おはようございます!
身体が衰えていかないように普段の運動を心掛けたい塗山です。
今回のテーマは、
変形性膝関節症と内側側副靭帯についてです。
内側側副靭帯って聞いたことありますか?
なにかのすじの話ですか?
変形性膝関節症と内側側副靭帯
Good afternoon!整形外科医の塗山正宏です。
今回は「変形性膝関節症(Osteoarthritis of the Knee: OA)」と「内側側副靭帯(Medial Collateral Ligament,:MCL)」の関係について解説します。
変形性膝関節症は膝の関節に起こる退行性疾患で、関節軟骨が摩耗し、骨同士が直接接触して痛みや炎症を引き起こします。
この膝関節症の進行には、膝の安定性を支える靭帯、とりわけ内側側副靭帯が深く関与しています。
1. 変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が摩耗することによって生じる疾患で、中高年の方に多く見られます。
膝は体重を支える重要な関節であり、歩行や階段昇降などの日常動作で大きな負荷がかかります。
軟骨が損傷すると、関節内で炎症が起こり、痛みや腫れが発生します。
進行すると、膝関節が変形し、動きに制限がかかるだけでなく、膝の構造的な安定性も損なわれます。
2. 内側側副靭帯(MCL)とは?
内側側副靭帯は膝の内側に位置する靭帯で、膝関節の内外方向の安定性を保つ重要な役割を担っています。
内側側副靭帯は膝の内側を支持し、外側からの力や外反動作に対して膝が過度に開くのを防ぎます。
歩行や立ち上がりなど、日常生活のあらゆる場面で内側側副靭帯が適切に機能することで、膝関節が安定した動きを維持できます。
3. 変形性膝関節症と内側側副靭帯の関係
変形性膝関節症が進行すると、膝関節の構造が不安定になりますが、特に内側の軟骨が摩耗するケースが多いです。
内側の軟骨が摩耗すると、膝関節の軸がずれ、膝の内側に過度の負担がかかることになります。この際、内側側副靭帯にも大きなストレスがかかり、靭帯が伸びたり、機能が低下したりすることがあります。
また、膝関節の変形が進むことで、「内反膝(O脚)」と呼ばれる状態が起こることがあります。このような変形が進行すると、内側側副靭帯にさらに大きな負荷がかかり、膝関節全体のバランスが崩れて痛みや不安定感が増加します。
4. 内側側副靭帯の役割と治療の重要性
変形性膝関節症において、内側側副靭帯が果たす役割は非常に重要です。
靭帯が適切に機能することで、膝関節の安定性が維持され、軟骨や骨への負荷が軽減されます。
しかし、変形性膝関節症が進行し靭帯機能が弱まると、膝関節の不安定感が強くなる場合や、可動域が制限され、痛みが増すため、症状が悪化します。
5. 治療とリハビリテーション
変形性膝関節症と内側側副靭帯の治療は、症状の進行具合や個々の患者の状態に応じて異なりますが、以下の治療法が一般的です。
非手術療法:
- 筋力トレーニング: 膝周囲の筋肉を強化することで、膝の安定性を向上させ、内側側副靭帯への負担を軽減します。特に大腿四頭筋やハムストリングスの強化が重要です。
- 装具の使用: 膝の内側をサポートするために装具を使用することで、靭帯の負担を軽減し、症状を緩和します。
- 体重管理: 適切な体重を維持することで、膝関節への負担を減らし、症状の進行を遅らせます。
手術療法:
変形性膝関節症が進行し、内側側副靭帯や軟骨の損傷が深刻な場合は、膝関節の部分置換術や全置換術が選択されることがあります。
手術によって関節の形状を修正し、靭帯への過剰な負担を軽減することができます。
6. 予防と日常生活でのケア
内側側副靭帯を守り、変形性膝関節症の進行を予防するためには、以下のポイントを意識することが重要です。
- 適度な運動: 体重を管理し、膝周囲の筋肉を強化するために、ウォーキングや水中運動などの負担が少ない運動を定期的に行いましょう。
- 姿勢の改善: 膝にかかる負担を減らすために、正しい姿勢を保ち、膝を過度に曲げたり伸ばしたりしないように注意します。
- 適切な靴の選択: 膝関節に優しい靴を選び、過剰な負荷がかからないようにしましょう。
7. まとめ
変形性膝関節症と内側側副靭帯は、膝関節の安定性において密接な関係があります。
膝の内側に負担がかかることで、靭帯が徐々に損傷し、症状が悪化することがあります。
適切な治療とリハビリテーションを行うことで、変形性膝関節症の進行を抑制することを心掛けましょう。
痛みや不安定感を感じた場合は、早めに専門医に相談し、適切な対策を講じることが大切ですよ。
あなたのその膝、放置しないで!
以上、塗山でした~!
変形性膝関節症にとって内側側副靭帯は大事な靭帯です!
「ぴえ~~ん♪」
一日1個は卵を食べている卵人間の整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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