格言 Season197

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― 整形外科医・塗山正宏が考える“本当のリハビリの目的” ―

こんにちは!整形外科医の塗山正宏です。

リハビリについて患者さんとお話ししていると、
こんな声をよく耳にします。

  • 「筋力を戻さないといけませんよね」
  • 「どこまで曲がれば合格ですか?」
  • 「数値は順調ですか?」

どれも大切な視点です。
しかし私は、その少し先にある“本当のゴール”を大切にしています。

塗山先生
塗山先生

リハビリのゴールは筋力ではなく、“また出かけたくなる気持ち”。




■ 数値だけでは測れない「回復」がある

リハビリでは、

  • 可動域(何度曲がるか)
  • 筋力(どれくらい力が出るか)
  • 歩行距離(どれだけ歩けるか)

といった指標がよく使われます。

これらは、回復を客観的に評価するために重要です。
しかし、これだけでは十分ではありません。

なぜなら、患者さんの生活は“数値”ではなく“行動”で成り立っているからです。


■ 「また出かけたい」と思えるかどうか

たとえば、

  • 数値上は問題なくても外出をためらっている
  • 歩けるのに、不安で家にこもってしまう
  • 痛みは軽くても、動くことが怖い

こうした状態では、本当の意味で回復したとは言えません。

一方で、

  • 少し不安はあるけれど外に出てみた
  • 近所まで歩いてみた
  • 「また行ってみよう」と思えた

この変化は、とても大きな一歩です。


■ リハビリは「体」と「気持ち」の両方を整える

リハビリというと、どうしても体のトレーニングに意識が向きがちです。

しかし実際には、

  • 動いても大丈夫だという安心感
  • 少しずつできることが増える実感
  • 自分の体を信じられる感覚

こうした“気持ちの回復”がとても重要です。

筋力はトレーニングで向上しますが、
「またやってみよう」という気持ちは、経験の積み重ねでしか生まれません。


■ 小さな外出が、大きな変化を生む

最初は、

  • 家の中を少し歩く
  • 玄関まで出てみる
  • 近所のコンビニに行ってみる

そんな小さな行動から始まります。

そして、

  • 外の空気を感じる
  • 人と会話する
  • 景色を見る

こうした体験が積み重なることで、「また出かけたい」という気持ちが自然と芽生えてきます。


■ 整形外科医として大切にしていること

私は、診察のときにこういう質問をします。

  • 「前より楽に外に出られていますか?」
  • 「前より動けるようになっていますか?」

それは、数値では見えない回復を知るためです。

そして、もし少しでも前進していれば、それを一緒に喜びたいと思っています。


■ まとめ

塗山先生
塗山先生

リハビリのゴールは筋力ではなく、
“また出かけたくなる気持ち”。

筋力や可動域は大切です。
しかし、それはあくまで手段です。

本当に目指すべきは、

  • 外に出たいと思えること
  • 行動することに前向きになれること
  • 日常を楽しめるようになること

その気持ちが戻ったとき、リハビリは本当の意味で成功したと言えるのだと思います。



【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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