股関節215 人工股関節と体重

体重 股関節

おはようございます!
体重管理には人一倍気をつけていると思っている塗山正宏です。
毎朝体重は必ずチェック!





今回のテーマは、

人工股関節と体重についてです。




人工股関節置換術とは、変形性股関節症や関節リウマチなどで痛みや動きにくさがある股関節を、金属やセラミック、ポリエチレンなどの部品に置き換える手術です。

この手術によって、股関節の痛みが軽減され、歩行や日常生活が改善されることが期待できます。

しかし、人工股関節置換術を受ける前に、体重について考える必要があります。

なぜなら、体重が重いと、手術のリスクや合併症の発生率が高くなる可能性があるからです。

簡単にいえば、肥満は手術における合併症率が高くなります

これは人工関節の手術に限った話ではありませんが…。

また、手術後も体重の管理は重要です。

なぜなら、体重が重いと、人工股関節への負担が大きくなり、摩耗や緩みの原因になる可能性があるからです。



では、具体的にどのくらいの体重が適切なのでしょうか?

一般的には、BMI(ボディ・マス・インデックス)という指標を用いて判断します。

BMIは、体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値で、肥満度を表す数値です。

WHO(世界保健機関)の基準では、

BMIの分類

・BMIが18.5未満だとやせ型

・18.5~25未満だと標準体型

・25~30未満だと肥満1度(軽度)

・30~35未満だと肥満2度(中程度)

・35~40未満だと肥満3度(高度)

・40以上だと肥満4度(超高度)

と分類されます。

人工股関節置換術を受ける場合は、BMIが30未満であれば問題ないとされています。

しかし、BMIが30以上だと手術のリスクが高まります。

例えば、感染や出血、骨折や脱臼などの合併症の発生率が高くなったり 、手術時間や入院期間が長くなったり、手術後の痛みや満足度が低くなったり、人工股関節の寿命が短くなったりする可能性があります。

あくまでも可能性です。

したがって、BMIが30以上の場合は、手術を受ける前に可能な範囲で体重を減らすことが望ましいと言えます。






では、どのようにして体重を減らすことができるのでしょうか?

一般的には、食事と運動の両方に注意することが重要です。

食事では、カロリー摂取量を減らし、野菜や果物などの食物繊維やビタミンを多く含む食品を摂ることがおすすめです。

運動では、歩行や水泳などの有酸素運動を行うことで、脂肪を燃焼させることができます。

そして、可能な範囲で筋力トレーニングを行いましょう。

下肢の筋力があればあるほど、術後の回復が早くなりますので。

ただし、運動は自分の体調や股関節の状態に合わせて行い、無理をしないように注意してください。



人工股関節置換術は、股関節の痛みや機能障害に悩む方にとって有効な治療法です。

しかし、体重が重いと手術の効果が十分に得られない可能性があります。

そのため、手術を受ける前には、体重を適正な範囲にすることが大切です。

でも、股関節の痛みが強いとなかなか体重が減らすのが困難な場合も多いのが実際かと思います。

その場合には、術後に動ける股関節になってから体重を徐々に減らしていきましょう。

その他の関節を健康に保つためにも体重管理は重要ですからね。


人工股関節の術前術後の体重管理は重要です!

ドーナツ

「体重減らしたいのにドーナツは辞めて!!」

甘いものは割と好きだけどあまり食べないようにしている整形外科医の塗山正宏でした。



【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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