おはようございます!
今日も無事に朝起きれたことを感謝したいトヤマです。
今回のテーマは、
人工膝関節置換術と皮膚の感覚障害についてです。
今回は人工膝関節の手術の話ですよ~!
教えてください!
人工膝関節置換術と皮膚の感覚障害:原因と対策
人工膝関節置換術(TKA: Total Knee Arthroplasty)は、変形性膝関節症や関節リウマチなどの疾患に対する効果的な治療法です。
しかし、手術後に皮膚の感覚障害を経験する患者さんが多くいます。
この記事では、人工膝関節置換術後に起こる皮膚の感覚障害について、原因や対策を詳しく解説します。
1. 人工膝関節置換術後の皮膚の感覚障害とは?
人工膝関節置換術後に報告される感覚障害は、膝の創部周囲の前面や外側の皮膚がしびれる、感覚が鈍い、あるいは異常な感覚を伴うことがあります。
これは、手術時に皮膚や皮下組織を切開する際に、膝周囲の小さな皮神経が傷つくために起こります。
特に膝の前面を走行する膝蓋骨周囲の皮神経が影響を受けやすいです。
2. 感覚障害が起こるメカニズム
人工膝関節置換術では人工膝関節の装着のために、皮膚や膝関節周囲の軟部組織の切開が必要です。
この過程で、膝の表面を覆う神経が傷つくことがあります。
膝周囲の皮神経は非常に細かく、手術の際に避けることが難しいため、これが感覚障害の原因となります。
- 膝蓋骨周囲の神経損傷: 膝の前面に位置する神経が手術中に切断されたり圧迫されたりすることで、しびれや異常感覚が生じます。
- 炎症反応: 手術後の炎症が神経に影響を与え、一時的な感覚障害を引き起こすことがあります。
3. 感覚障害の持続期間と予後
感覚障害は通常、術後数か月をかけて徐々に改善していきます。
これは神経が再生する過程で、再び正常な感覚が戻るためです。
しかし、一部の患者さんでは、感覚障害が長期間続く場合があります。
この場合も、生活の質に大きな影響を及ぼすことは少ないですが、異常感覚が残ることがあるため、患者さんにとっては不快な症状となることがあります。
4. 感覚障害への対策と治療法
術後の感覚障害に対する治療は、通常経過観察が基本です。
神経の再生には時間がかかるため、状況を見ながら患者さんの経過を観察します。
しかし、長期にわたる感覚障害や症状が強い場合には、以下のような対策が考えられます。
- リハビリテーション: リハビリを通じて膝周囲の血行を促進し、神経の回復をサポートします。特に、軽度の運動やストレッチが有効です。
- 感覚訓練: 異常感覚を和らげるために、感覚刺激を与える訓練を行うことがあります。例えば、軽く皮膚を触ったり、圧力を加えたりすることで、神経の回復を助けます。
- 薬物治療: 痛みやしびれが強い場合には、神経障害性疼痛に効果がある薬が処方されることがあります。内服薬によって神経由来の症状を軽減させます。
まとめ
人工膝関節置換術後に皮膚の感覚障害の症状は、非常に頻度が高い合併症です。
これは手術の際に膝周囲の神経が影響を受けるためで、多くの場合、時間とともにゆっくりと改善します。
ただし、もし症状が長期化する場合でも、適切な対策や治療を行うことで患者さんの生活の質は維持できます。
術後の経過観察やリハビリを継続することで、膝関節自体の機能回復は期待できますので、皮膚の感覚障害についてはあまり心配する必要はないと思われます。
というわけで、皮膚の感覚障害には、あまり心配する必要なしですよ!(^^)/
では、また!
人工膝関節の置換術後の皮膚の感覚障害は特に心配する必要なし!
「満月!!」
満月になると狼に変身するかもしれない整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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