膝関節85 変形性膝関節症とランニング

ランニング 膝関節

おはようございます。
久しく長距離ランニングはしていない塗山正宏です。
昔はフルマラソンやっている時期もありましたけどね笑。




本日のテーマは、

変形性膝関節症とランニングについてです。




ランニング、日本語で言えば「走る」です。

ランニングで発生しやすい膝関節の痛みの原因としては、

・腸脛靱帯炎(ランナー膝)

・鵞足炎(がそくえん)

・膝蓋靭帯炎、大腿四頭筋付着部炎

・膝蓋骨軟化症(しつがいこつなんかしょう)

・変形性膝関節症

などが挙げられます。



それぞれどんな病気なのか調べてみましょう。

・腸脛靱帯炎(ランナー膝)
ランナー膝と呼ばれその名の通り、ランニングで非常に多く発生します。足を酷使することによって、膝の外側にズキズキとした痛みを感じます。特にランニングにおいては、着地時に膝関節に負荷が強くなるため、下り坂を走るときに痛みが増強します。


・鵞足炎(がそくえん)
鵞足とは、膝から5cmほど下がったすねの内側にあり、縫工筋、薄筋、半腱様筋の3つがくっついている場所のことです。鵞鳥(がちょう)の足のように見えることから名付けられました。膝の曲げ伸ばしを過度に繰りかえすことにより炎症が発生し、膝の内側にズキズキとした痛みを感じます。

・膝蓋靭帯炎、大腿四頭筋付着部炎(ジャンパー膝)
膝蓋腱や大腿四頭筋腱の炎症で痛みを発症します。多くの場合は、バレーボールやバスケットボールなどジャンプ動作の長時間繰り返しや、サッカーのキック動作やダッシュなど走る動作を繰り返しなどにより、膝を酷使するために起こるスポーツ障害です。ランニングやジャンプを長時間繰り返すことで発生するため、ジャンパー膝とも呼ばれています。症状として、膝の下側にうずくような痛みを感じます。

・膝蓋骨軟化症
15~20歳代の女性に多くみられる病気です。膝蓋骨の裏側にある軟骨が変性し軟化します。進行すると軟骨に亀裂が生じてます。

原因としては、膝蓋軟骨は、関節軟骨のなかでも最も厚いため、ジャンプのくり返しやランニングなどで、膝蓋軟骨に強い摩擦が加わることによって、軟骨表面に摩耗などの変化がもっとも早く起こりやすいからと、考えられています。

膝蓋骨が圧迫された時の痛み、膝蓋骨の後面の違和感、階段を昇降する時や正座から立ち上がるときの瞬間的な膝の痛み、膝がくずれる感じ、きしみ音などが主な症状とされています。


・変形性膝関節症
膝関節の軟骨がすり減り、関節が変形することで、膝の内側や外側に炎症や痛みを生じる疾患です。日本人はO脚の場合が多く、内側の軟骨が減りやすいため、内側型の変形性膝関節症の割合がほとんどです。


これらの膝関節の痛みの原因としては、

・急にランニングの練習量を上げる(オーバーワーク)

・ランニングのフォームが悪い

・下肢筋力の低下(左右の筋力のバランスが悪い)

・膝関節周囲の筋肉の柔軟性の低下

・下肢のアライメントが不良(O脚やX脚)

・すり減ったランニングシューズ

・硬い道やアップダウンなど走る場所の問題

・既に変形性膝関節症が発症している

など色々な原因が挙げられます。




ランニングに伴う膝の痛みは色々な原因がありますので、ランニングをやっていて痛みが続く場合には一度検査を受けて、原因を調べておきましょう!

痛みを放置しちゃだめですよ!


ランニングによる膝の痛みの原因は色々あるから要注意です。

「お父さん、お餅の丸飲みは辞めて!って言ってるでしょ!」

お正月にしかお餅は食べない整形外科医の塗山正宏でした。



【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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