おはようございます!
昔から熱が出ても気合いで熱だと思わないようにしている塗山正宏です。
気合いだ!気合いだ!気合いだ!笑
今回のテーマは、
人工股関節置換術と術後の発熱についてです。
今回は術後の発熱についてのお話です!
全国5人の熱心なとやまファンの皆様、お元気ですか!?
今回は人工股関節の手術後の発熱についての話です。
人工股関節置換術後の発熱は、患者さんにとって不安の原因となることがあります。
人工股関節置換術後に発熱が起こる理由と、それが示す可能性について塗山が笑顔で解説します。
人工股関節置換術後の発熱の原因
人工股関節置換術後に発熱が見られることは珍しくありません。
発熱の原因は多岐にわたりますが、主なものは以下の通りです。
・手術によるストレス反応:手術後の初期の発熱は、体の自然な反応であり、通常は手術後24〜48時間以内に見られます。特に術後当日の夜に発熱が出る事は決して珍しくありません。このタイプの発熱は、体が手術のストレスに反応して発生する炎症性サイトカインを放出することによって引き起こされます。これらのサイトカインは、体温調節を担う脳の部分に作用し、体温を上昇させます。術後の発熱は通常1週間以内に自然と改善していきますのであまり心配は要りません。
・術後感染症:手術後の発熱が長時間続く場合、感染症が疑われます。特に、手術部位の赤み、腫れ、痛み、排膿などの兆候がある場合は、感染の可能性が高まります。この場合、血液培養、創部の培養、画像診断などの追加検査が必要になることがあります。
・血栓症:手術後に発熱を伴う別の合併症は血栓症です。特に人工股関節置換術の患者さんは、手術中の長時間の固定や術後の活動制限により、深部静脈血栓症(DVT)のリスクが高まります。DVTが肺血栓塞栓症(PE)に進行すると、胸痛や呼吸困難などの症状が現れることがあります。命に係わる重大な合併症ですので要注意です。
発熱に対する対処法
手術後の発熱に対する対処法は、その原因によって異なります。
以下に一般的な対処法を示します。
・経過観察:手術後の発熱が軽度で、感染症や血栓症の明らかな兆候がない場合は、経過観察が行われます。発熱が自然に解決することを期待し、定期的に体温と他のバイタルサインをチェックしていきます。
・抗生物質の投与:感染症が疑われる場合、抗生物質の投与が開始されることがあります。感染の原因となる細菌を特定するために、培養検査の結果を待つことなく、広域スペクトラム抗生物質が使用されることが一般的です。また、感染症が疑われる場合には画像検査(MRI、CT)を行い、感染症が疑わしい場合には洗浄手術を行う必要になります。場合によっては、人工股関節の抜去が必要になる場合もあります。術後感染症は早期対処が重要な合併症になります。
・抗凝固療法:深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症の予防または治療のために、抗凝固薬が処方されることがあります。これには、ヘパリン、ワーファリン、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)などが含まれます。
まとめ
人工股関節置換術後の発熱は、多くの場合、一時的なものであり、重大な合併症の兆候ではありません。
ほとんどが手術の影響に伴って反応して出る発熱です。
しかし、発熱が長引く場合や他の症状が伴う場合は、感染症や血栓症などの合併症を示す可能性があります。
そのため、もし術後しばらく経ってから発熱が見られた場合は、迅速に医師の診察を受けることが重要です。
以上、人工股関節置換術と発熱についてのトークでした。
人工股関節置換術の術後すぐの発熱は出る事が多いが大きな心配は必要なし!
「皆さん、生カキは食べますか?」
生カキはあたるのが怖いので基本食べない事にしている整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
コメント