おはようございます。
日々がむしゃらに働き続けている仕事中毒の塗山正宏です。
今回のテーマは
人工股関節置換術後の職場復帰についてです。
患者さんからよく聞かれる質問シリーズのお時間がやってまいりました!
「人工股関節の手術を行った後に、どれくらいで仕事に復帰できますか?」
その質問は定番の質問ベスト3に入る質問ですね!
この質問、本当に頻繁に聞かれますね。
手術前の外来では本当に頻繁にこの質問を受けますね。
結構な頻度でこの質問はあります。
やはり手術を考える皆さんは気になるところですよね。
では、笑顔で塗山が早速答えていきましょう。
人工股関節置換術後の仕事復帰
人工股関節置換術(THA)とは?
人工股関節置換術(THA: Total Hip Arthroplasty)は、変形性股関節症、特発性大腿骨頭壊死症、大腿骨頚部骨折などの疾患による股関節の痛みや機能障害を解消するための手術です。
この手術では、損傷を受けた股関節の骨や軟骨を取り除き、金属やポリエチレン製の人工関節に置き換えます。
人工関節は、耐久性の高い材料で作られており、痛みの軽減と股関節の正常な可動域の回復を目指します。
職場復帰のための準備: タイミングとリハビリの重要性
職場復帰は、個々の回復状況と職場での業務内容によって異なります。
以下の点を考慮しながら、復帰時期を決定することが重要です。
1. 復職時期の目安
- デスクワーク: 身体的負担が少ないデスクワークの場合、術後1か月以内で復職可能かもしれません。ただし、通勤にかかる移動の問題があります。歩行距離や歩行時間、電車に乗車する時間などの点を考慮しなければなりません。職場では、長時間の座位は股関節に負担をかける可能性があるため、適宜休憩を取り、体を動かすよう心がけましょう。
- 立ち仕事や肉体労働: 立ち仕事や重い物を扱う必要がある仕事の場合、復職にはより時間がかかります。立ち仕事などでのは術後2~3か月かもしれません。また、重労働である場合術後3か月以上のリハビリが必要になることもあります。股関節への負担が大きいため、慎重に復帰を判断する必要があります。
以下におおまかな復帰時期の目安を示します。
ただしあくまでも目安です。
個々の股関節の状態や仕事内容によって実際の復帰時期は検討すべきです。
2. リハビリの継続と職場での工夫
職場復帰後もリハビリは継続するべきです。
以下のような工夫が役立ちます。
- 適切な姿勢の維持: 長時間の座位や立位は股関節に負担をかけるため、適切な姿勢を保つことが重要です。背筋を伸ばし、股関節に過度な負担がかからないように意識しましょう。
- 定期的なエクササイズ: 職場でも簡単にできるストレッチやエクササイズを取り入れることで、股関節周囲の筋肉を維持し、再発を防ぎます。例えば、軽いウォーキングや脚の上げ下げなどが効果的です。
- 職場環境の調整: 必要に応じて職場環境を調整することも考慮しましょう。椅子の高さやクッションの使用、作業スペースの改善など、小さな工夫が股関節への負担を軽減します。
まとめ
人工股関節置換術の術後早期はまだ股関節の状態は不安定です。
術後の職場復帰の目安として、デスクワークはあまり身体を動かさないと思いますので、復帰まではあまり時間がかからないかと思います。
ただし、通勤のために歩く距離や時間が長い場合には、復帰する時期を検討する必要があります。
術後すぐに満員電車に乗るのは難しいですからね。
術後早期は満員電車に乗るのは絶対に避けましょう!
また、術後すぐに立ち仕事をしてしまうと、下肢のむくみがかなり出てしまったり、強い筋肉痛が出る可能性があるため避けたほうが無難でしょう。
特に人工股関節の手術後1か月以内は下肢のむくみがとても出やすい時期ですからね。
最終的には、細かい仕事内容や術後の回復の状況には個人差があるので、実際には自分の身体の状態をみながら、職場と相談して仕事の復帰時期を決めるのがいいでしょう。
回復に時間がかかっているようであれば、仕事復帰の時期をずらしたほうが良いでしょうし、回復が順調であれば仕事復帰の時期を早めても良いかもしれません。
やはり術後早期の時期に無理をしてしまうと、股関節周囲の筋肉の痛みがしばらく続いてしまったり、股関節の回復が遅れてしまう事がありますので無理は禁物です。
そうすると股関節の回復が思わしくなくなってしまう可能性があるため、仕事復帰のタイミングは慎重に決めていきましょう。
職場復帰を焦って、決して無理はしないようにしましょう!
職場復帰の時期は自分の身体と職場と相談して決めていきましょう!
「今日は仕事にいくのかにゃ?!」
日々働きつづけている真面目で情熱的な整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
コメント