手術は人生を良くするためにある。画像をきれいにするためではない。
1. 整形外科医・塗山正宏が考える“手術の本当の目的”
こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。
整形外科の診療を長く続けていると、患者さんからよくこのような質問を受けます。

画像では改善しているのに、実際の痛みはまだ残っています…
そんなとき、私はいつもこころの中で、ある言葉を思い出します。

手術は人生を良くするためにあります。
画像をきれいにするためではありません。
2. 画像は“診断の道具”であって、目的ではない
人工股関節置換術や人工膝関節置換術を行う整形外科医にとって、レントゲンやCT、MRIは大切な診断ツールです。
骨の変形、関節の状態、インプラントの位置や角度。
これらを適切に評価することは、手術計画や術後評価に欠かせません。
しかし、医療の本質は 「画像をきれいにすること」ではありません。
画像はあくまで手段であり、最終的に目指すべきは「患者さんの生活の質(QOL)の向上」です。
3. 手術後の“生活の変化”こそが、本当の成果
手術がうまくいったかどうかを判断する指標は、数字だけではありません。
- 痛みが減り、歩く距離が伸びた
- 買い物や散歩が苦にならなくなった
- 旅行や趣味を再開できた
- 家族と笑顔で外出できるようになった
こうした変化こそが、手術の成果が生活に還元された証し です。
画像がきれいでも、痛みや不安が残り、日常生活が改善しなければ、患者さんは決して満足しません。
だからこそ私は、お伝えしたいです。

手術は人生を良くするためにあります。
その結果として、画像は必要なだけ良くなるのです。
4. 技術と日常、両方を見据える医療者として
整形外科医としての私の使命は、ただインプラントを設置することでも、ただ骨を矯正することでもありません。
患者さんの「未来の日常」を一緒に考えることです。
たとえば、
- 歩行時の痛みが不安で外出が減った
- 長時間立っていると疲れてしまう
- 階段の上り下りがつらい
- 旅行や孫との散歩を楽しみたい
こうした“患者さんの具体的な願い”を聞き取り、それに向かって治療計画を立てること。
これは、医学的な判断と同じくらい重要な医療です。
5. 手術後こそ、人生が動き始める
手術直後は、痛みの変化や可動域の数字に目がいきがちです。
そして患者さんも、「画像がきれいになったら安心」と思いがちです。
しかし私がいつも伝えるのは、

画像は大切だけれど、生活が変わることが何より大切です。
手術後に、
- また外に出たいと思える
- 日常が苦にならなくなる
- 生活の幅が広がる
そんな“変化した人生”こそが、整形外科医としての私が本当に見たい成果なのです。
6. 最後に塗山からメッセージ

手術は人生を良くするためにあります。
画像をきれいにするためではありません。
この言葉を私は、患者さんご本人だけでなく、医療に携わる全ての人と共有したいと思います。
画像は確かに重要です。
しかし、それは人生を良くするための “ひとつの道具” でしかありません。
私は、 患者さんの毎日に寄り添う医療 をこれからも大切にしていきたいと思います。
では、筋トレ行ってきます。
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医


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