膝関節149 大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折

脆弱性骨折 膝関節

おはようございます!
いつまでブログを書き続けていけるのかちょっと心配している塗山です。
命がある限り!と言いたいところですが…笑。




今回のテーマは、

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折についてです。



塗山先生
塗山先生

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折

だいたいこつないかぜいじゃくせいこっせつ。

長くて噛みそうですね笑。



こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。

今回は「膝の痛みと大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折」についてお話しします。

膝の痛みは、多くの人々が日常生活で経験する問題で、その原因は様々です。

その中でも、大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折は特に高齢者に多く見られる問題であり、適切な診断と治療が必要です。

この記事では、この骨折に焦点を当て、その原因、症状、診断、治療法について優しく説明していきましょう。


大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折とは?

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折は、膝関節内の大腿骨内顆部(膝関節の内側部分)に発生する骨折です。

軟骨下脆弱性骨折は、骨の強度が低下し、通常の骨では耐えられる程度の負荷やストレスで骨折が生じる状態を指します。

大腿骨内顆骨壊死の原因のひとつとされています。

特に高齢者や骨粗鬆症の患者に多く見られます。

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折の主な原因

この特定の骨折の主な原因は以下の通りです。

  1. 骨粗鬆症: 骨密度が低下し、骨の強度が弱くなるため、軽微な外力で骨折が生じやすくなります。

  2. 変形性膝関節症: 関節の摩耗により、軟骨下の骨に負担がかかりやすくなります。

  3. 加齢: 年齢と共に骨の再生能力が低下し、骨が脆くなります。

  4. 慢性的な負荷: 長期間にわたる過剰な運動や体重の増加が、膝関節に過度のストレスを与えます。

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折の症状

この骨折の主な症状は、突然の強い膝の痛みです。以下に、典型的な症状を紹介します。

  1. 急性の膝の痛み: 急に発症する鋭い膝の痛みが特徴です。特に体重をかけたときに痛みが増します。明らかな怪我などが思い当たる事がないことが多いです。

  2. 腫れ: 膝の周囲に腫れが生じることがあります。

  3. 運動制限: 膝の痛みや腫れにより、歩行や階段の昇降が困難になります。

  4. 圧痛: 膝関節の骨折した部位を押すと痛みが強く感じられます。

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折の診断

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折の診断には、以下の方法が用いられます。

  1. 身体検査: 医師が膝の痛みや腫れ、圧痛の部位を確認します。

  2. 画像診断: X線検査、MRI(磁気共鳴画像)検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査が行われます。特にMRIは、軟骨下の骨折を詳細に評価するために有用です。

  3. 骨密度測定: 骨粗鬆症の評価のために、DEXA(二重エネルギーX線吸収測定法)スキャンが行われます。

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折の治療

この骨折の治療は、保存療法と外科的治療の2つに大別されます。

以下に、それぞれの治療法について優しく説明します。

保存療法

  1. 安静: 膝関節の安静を保つことで、骨折部位の自然治癒を促します。松葉杖や膝装具の使用が推奨されることがあります。

  2. 薬物療法: 痛みや炎症を軽減するために、鎮痛剤や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が使用されます。また、骨密度の改善のために、骨粗鬆症治療薬が処方されることがあります。

  3. 理学療法: リハビリテーションを通じて筋力を強化し、膝関節の機能を回復させます。低負荷の運動やストレッチが含まれます。

外科的治療

保存療法が効果を示さない場合や、骨折が重度である場合には外科的治療が検討されます。

以下に一般的な手術法を紹介します。

  1. 関節鏡視下手術: 小さな切開を通じて関節鏡を挿入し、軟骨下の骨折部位を修復します。

  2. 骨移植術: 骨欠損部位に対して、自家骨や人工骨を移植する手術です。

  3. 人工膝関節置換術: 重度の変形性膝関節症や広範な軟骨下骨折の場合、人工膝関節に置換する手術が行われます。

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折を起こす患者さんは比較的高齢であることから、関節鏡視下手術や骨移植術ではなく、実際には人工膝関節置換術の適応になるケースが多くなります。

予防と管理

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折を予防するためには、以下の対策が重要です。

  1. 体重管理: 適正体重を維持することで、膝関節への負担を軽減します。

  2. 定期的な運動: 筋力を維持し、骨密度を高めるために、適度な運動を継続することが推奨されます。

  3. 骨密度の定期検査: 特に高齢者や骨粗鬆症のリスクが高い人は、定期的な骨密度検査を受けることが重要です。骨粗鬆症と診断されれば、骨折のリスクを下げるためにも治療を行う事が必要です。

日常生活での注意点

この骨折のリスクを減らすために、日常生活で以下の点に注意しましょう。

  1. 適切な靴の選択: 膝関節に負担をかけない、クッション性のある靴を選びましょう。

  2. 転倒防止: 家の中や外で転倒しないよう、滑りにくいマットを使用し、手すりを設置することが重要です。

  3. 定期的な検診: 医師による定期的な検診を受けることで、早期に問題を発見し、適切な対策を講じることができます。

結論

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折は、高齢者に多く見られる膝の痛みの原因の一つです。

この骨折は、骨粗鬆症や変形性膝関節症などのリスク要因と関連しており、適切な診断と治療が重要です。

早期の診断と治療により、痛みの軽減と機能の回復を図ることができます。

また、予防策を講じることで、この骨折のリスクを減少させることができます。

膝の痛みや腫れ、運動制限などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

大腿骨内顆軟骨下脆弱性骨折は、X線検査では診断する事が難しいので、痛みが続く場合にはMRI検査を検討しましょう。

今回のブログが少しでも参考になればと思います。

皆様の健康と幸福をとやまは心よりお祈りしています!

では、また!


突然発症する膝の強い痛みが出たら要注意です!

わかった

「いやいやその話、私があなたにした話だから!」




その人から聞いた話をその人にうっかりその話をしてしまう事が多々ある整形外科医の塗山正宏でした!


【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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