格言 Season194

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― 整形外科医・塗山正宏が考える“回復の本当の意味” ―

こんにちは!

整形外科医の塗山正宏です。

人工股関節や人工膝関節の手術を受けた患者さんから、よくこんな質問をいただきます。

  • 「どれくらいで元の生活に戻れますか?」
  • 「できるだけ早く回復したいのですが、頑張って歩いた方がいいですか?」
  • 「早く良くなる方法はありますか?」

回復を急ぎたいという気持ちは、とてもよく分かります。

しかし私は、そんなときにいつもこの言葉をお伝えしています。

塗山先生
塗山先生

最短距離より、安全に続けられる道を選ぶ。それが本当の回復です。





■ 回復は「競争」ではありません

現代の医療では、手術技術やリハビリテーションが進歩し、人工関節手術後の回復は以前よりもずっと早くなっています。

しかし、ここで大切なのは“早さ”よりも“安定して続けられること”です。

回復を急ぎすぎると、

  • 痛みが強くなる
  • 炎症が長引く
  • 無理な負荷で転倒やケガにつながる

といったリスクが生まれてしまいます。

回復はマラソンのようなもので、短距離走ではありません。


■ 続けられることが、いちばん強い

リハビリや運動療法で最も大切なのは、「続けられること」です。

たとえば、

  • 毎日10分の散歩
  • 少しずつ歩く距離を増やす
  • 痛みが出ない範囲で体を動かす

こうした積み重ねは、派手ではありませんが、確実に体を変えていきます。

一方で、

「今日は頑張って2時間歩いたけれど、その後3日間動けなくなった」

というようなリハビリでは、結果として回復が遅れてしまうこともあります。


■ 人それぞれの“回復のペース”

回復のスピードは、患者さんによって違います。

  • 年齢
  • 筋力
  • 生活習慣
  • 手術前の活動量

これらの要素が影響するからです。

だからこそ、他の人と比べる必要はありません。

大切なのは、自分の体に合ったペースで進むことです。


■ 整形外科医として大切にしていること

私は患者さんに、

「焦らなくて大丈夫です」
「安全な範囲で続けていきましょう」

とお伝えすることがあります。

それは決して消極的な考えではありません。

むしろ、長い目で見たときに最も確実な回復の道だからです。

回復とは、一気に良くなることではなく、毎日の積み重ねの結果として生まれるものです。



■ まとめ

塗山先生
塗山先生

最短距離より、安全に続けられる道を選ぶ。
それが本当の回復です。

手術は、回復のスタートラインです。

そこから先は、患者さんの生活の中で少しずつ体が変わっていきます。

焦らず、無理をせず、そして確実に前へ進んでいく。

その歩みこそが、本当の意味での「回復」なのだと私は思います。

焦らずじっくり地道に進んでいきましょう。

では、筋トレ行ってきます。





【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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