格言 Season193

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1. 整形外科医として大切にしている“もう一つの治療”

こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。
外来診療や術後フォローの中で、私はしばしばこんな場面に出会います。

関節の状態は医学的には改善している。
レントゲンも問題ない。
可動域も、筋力も、順調。

それでも患者さんが、どこか不安そうな表情を浮かべている——。

そんなとき、私はこの言葉を思い出します。

塗山先生
塗山先生

関節は治療できます。自信は、患者さんと一緒に育てるものです。




2. 痛みが取れても、すぐに動けるとは限らない

整形外科治療では、痛みの原因となる関節や骨、靱帯を治療することができます。

しかし、痛みが改善した瞬間に
「はい、以前のように動いてください」と言われても、
多くの患者さんは戸惑います。

  • 「また痛くなるのではないか」
  • 「動かして壊れないだろうか」
  • 「本当にこの足を信じていいのだろうか」

これは決して弱さではありません。

それまで 痛みと制限の中で生活してきた“記憶” が、体と心に残っているだけなのです。


3. 自信は、数値や画像では生まれない

自信は、

  • レントゲンがきれいになったから
  • 手術が成功したから
  • 医師が「大丈夫」と言ったから

それだけでは育ちません。

自信が育つのは、

  • 実際に歩いてみて「大丈夫だった」と感じたとき
  • 昨日より少し楽に動けたとき
  • 生活の中で成功体験を積み重ねたとき

そうした 日常の小さな体験の中です。

だからこそ、自信は医師が一方的に与えるものではなく、患者さんと一緒に育てていくもの だと私は考えています。


4. リハビリは「体」と「心」の両方を回復させる時間

リハビリテーションの本当の役割は、
筋力や可動域を改善することだけではありません。

  • 動いても大丈夫だと実感する
  • できることが増えていく
  • 生活が前に進んでいると感じる

こうした積み重ねが、失われていた自信を少しずつ取り戻していきます。

私は、
「今日はどこまでできましたか?」
「昨日よりも少しでも回復してきてますか?」
という会話を大切にしています。

そこに、自信の芽があるからです。


5. 医師の役割は「背中を押し続けること」

整形外科医は関節を治療できます。

でも、自信を“完成品”として渡すことはできません。

できるのは、

  • 不安を言葉にしてもらうこと
  • 安全な範囲を一緒に確認すること
  • 小さな成功を一緒に喜ぶこと

そして、
「あなたはちゃんと前に進んでいますよ」
と、背中を押し続けることです。


6. まとめ

塗山先生
塗山先生

関節は治療できます。
自信は、患者さんと一緒に育てるものです。

治療のゴールは、単に痛みが取れることではありません。

  • 自分の体を信じられるようになる
  • また外に出たいと思える
  • 生活を楽しめるようになる

その状態にたどり着くまで、私は医師として、患者さんと並んで歩き続けたいと思っています。

サポートしていきますからね!

宜しくお願い致します。


【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医

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