おはようございます!
免疫力は落としたくない塗山です。
今回のテーマは、
人工膝関節が術後感染するとどうなる?についてです。

感染症って怖いですよね…

感染症は怖いです…
人工膝関節が術後感染するとどうなる?
――「滅多にないけど、知っておくべき」話を正直にします。
1. はじめに
整形外科医の塗山正宏です。
人工膝関節置換術の合併症で最も怖いのは術後感染症です。
結論を先に言いましょう。
人工膝関節の術後感染は頻度は低いものの、早期発見できるかどうかで“結果が天と地ほど変わります”。
人工膝関節置換術(TKA:Total knee arthroplasy)は、

人生が変わった!

もっと早くやればよかった!
という声が多い手術です。
一方で、ネット検索をすると必ず出てくるのが――
「人工関節 感染」
「膝 人工関節 失敗」
……正直、怖くなりますよね。
今日は、
✔ 感染すると実際どうなるのか
✔ どんな症状が危険サインなのか
✔ 感染したら必ず入れ替えなのか
このあたりを、
専門用語は噛み砕きつつ、少しばかりの塗山の笑顔を添えて解説します。
2. そもそも人工膝関節の術後感染ってどのくらい起きる?
結論から言います。
👉 かなり少ないです。
報告にもよりますが、
人工膝関節術後感染の発生率は約0.5〜2%程度とされています。
つまり、
100人手術して98〜99人は起こらない。
ここはまず、安心してください。
3. それでも「感染」が問題になる理由
人工膝関節は、
- 金属
- ポリエチレン
という「体にとっては“異物”」です。
細菌にとっては、
「ここ、住みやすそうじゃない?」
という場所。
一度菌が住み着くと、
抗菌薬が効きにくいのが最大の問題です。
4. 感染すると何が起こる?【症状編】
① 腫れが引かない
術後の腫れは普通ですが、
- いつまでも引かない
- むしろ増えている
これは要注意。
② 熱感が強く、触ると明らかに熱い
「ちょっと温かい」ではなく、「あ、これカイロ?」
このレベルは危険信号。
③ 痛みの質が変わる
- 動かした時だけでなく
- じっとしていてもズキズキ
これは感染を疑います。
④ 発熱・倦怠感
膝だけでなく、体全体がだるい・熱っぽい場合は要注意。
5. 感染の時期で全く対応が変わる
▶ 早期感染(術後〜数週間)
この場合、人工関節を残せる可能性があります。
- 洗浄手術および抗菌薬治療
で対応できることも多い。
👉 ここが早期発見の最大のメリット。
▶ 晩期感染(数か月〜数年後)
- 歯科治療
- 皮膚感染
- 他部位の感染
などをきっかけに、
血流で菌が人工関節に到達することがあります。
この場合は、
- 人工関節を一度抜去
- 抗菌薬治療
- 再置換手術
が必要になる可能性があります。
6. 「感染=必ず人工関節を入れ替える」は本当?
👉 いいえ。
状況次第です。
- 菌の種類
- 発見の早さ
- 全身状態
これらによって、
✔ 洗浄+抗菌薬で済む
✔ 1回の再手術
✔ 2期的再置換
選択肢は変わります。
7. 感染を防ぐために患者さんができること
ここ、めちゃくちゃ大事です。
✔ 傷を清潔に
「ちょっとくらい大丈夫」は禁物。
✔ 歯科治療を放置しない
放置はしないようにしましょう。
「歯と膝、関係あるんですか?」
頻度は少ないですが、あります。
✔ 体調が悪い時は無理しない
免疫が落ちている時は感染リスクも上がります。
体調管理とても大事です!
8. よくあるQ&A
Q. 感染したら一生治らない?
A. そんなことはありません。治療法は確立されています。
Q. 何年経っても感染しますか?
A. 可能性はゼロではありませんが、極めて稀です。
Q. 予防のために抗生剤を飲み続ける?
A. それはやりすぎ。必要な時に、適切にが基本です。
9. 参考文献
- Zimmerli W et al. Prosthetic-joint infections. N Engl J Med.
- Tande AJ, Patel R. Prosthetic joint infection. Clin Microbiol Rev.
- AAOS Clinical Practice Guideline: Diagnosis and Prevention of Periprosthetic Joint Infections.
10.整形外科医の塗山正宏からひとこと
人工膝関節の術後感染は、
- 頻度は低い
- でも起きると大変
- ただし早期なら十分対応可能
という存在です。
一番の敵は、「様子を見すぎること」。
違和感があれば、遠慮せず主治医に相談してください。
それが結果的に、一番膝を守る行動です。
人工膝関節置換術後の感染は早期発見がとても大事です!

「膝が腫れたら要注意やっ!」
親知らずを抜いたあとは顔がとても腫れた整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医



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