おはようございます!
普段は水かコーヒーかお茶ばかり飲んでいる塗山です。
甘いものはなるべく飲まないようにしてます!
今回のテーマは、
人工膝関節置換術後の大腿骨顆上骨折についてです。
大腿骨顆上骨折?骨折って嫌ですよね…
骨折は絶対嫌です…涙
人工膝関節置換術後の大腿骨顆上骨折について
こんにちは、整形外科医の塗山正宏です。
今回は「人工膝関節置換術後の大腿骨顆上骨折」についてお話しします。
人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty, TKA)は、膝の痛みを軽減し、関節の機能を改善するための効果的な手術ですが、術後に発生する可能性のある合併症の一つに大腿骨顆上骨折があります。
このブログ記事では、大腿骨顆上骨折の原因、症状、治療法、そして予防策について整形外科医塗山が説明します。
人工膝関節置換術とは
人工膝関節置換術の概要
人工膝関節置換術は、変形性膝関節症や関節リウマチ、外傷による膝関節の損傷などに対して行われる手術です。
損傷した膝関節を人工関節に置き換えることで、痛みを軽減し、関節の機能を回復させます。
人工膝関節の構造
人工膝関節は通常、金属とプラスチックで作られており、大腿骨側のコンポーネント、脛骨側のコンポーネント、およびこれらを滑らかに動かすためのインサートから構成されています。
大腿骨顆上骨折とは
大腿骨顆上骨折の定義
大腿骨顆上骨折は、大腿骨の下端、すなわち膝関節のすぐ上で発生する骨折です。
人工膝関節置換術後に発生することがあり、高齢者や骨粗鬆症の患者で特に多く見られます。
大腿骨顆上骨折の原因
- 外傷:転倒や交通事故などの外傷が主な原因です。
- 骨粗鬆症:骨密度が低下していると、軽い外力でも骨折しやすくなります。
- 手術の影響:手術中に骨に加わるストレスや、手術後のリハビリテーション中の過度な負荷も骨折の原因となることがあります。
症状と診断
症状
- 膝の強い痛み
- 膝の腫れや変形
- 膝を動かすことができない
- 立ち上がれない、歩けない
診断
大腿骨顆上骨折は、臨床症状と画像診断(X線、CT、MRI)に基づいて診断されます。
これらの検査により、骨折の部位や程度、そして人工関節の状態を確認します。
治療方法
保存的治療
骨折が軽度で、骨折部が安定している場合、保存的治療が選択されることがあります。
この治療法には、ギプス固定やブレースの使用、安静などが含まれます。
手術療法
骨折が重度で、骨片が不安定な場合、手術療法が必要です。手術療法には以下の方法があります。
- 内固定術:金属プレートやスクリュー、髄内釘などを使用して骨折部分を固定します。
- 再人工関節置換術:人工関節が骨折によってインプラントが緩んでしまっている場合、新しい人工関節に置き換える手術が行われることがあります。
リハビリテーション
手術後のリハビリテーションは、膝の機能を回復させるために重要です。
理学療法士の指導のもとで、適切なリハビリテーションプログラムを実施します。
予防策
転倒防止
転倒は大腿骨顆上骨折の主な原因の一つです。
以下の対策を講じて、転倒リスクを減少させましょう。
- 家庭内の安全対策:滑りやすい床を避け、手すりを取り付けるなどの工夫を行います。
- 適切な靴の選択:滑りにくい底の靴を履くことが重要です。
- 運動:バランス感覚を改善し、筋力を強化するための運動を定期的に行います。
骨の健康管理
骨粗鬆症の予防と治療は、骨折リスクを減少させるために重要です。
- 定期的な骨密度検査:特に骨粗鬆症が高リスクグループの方は、定期的に骨密度を測定し、必要に応じて治療を行います。
- 骨粗鬆症薬の使用:骨粗鬆症を治療薬には様々なものがあります。骨形成促進薬や骨吸収抑制薬などの適切な治療薬を用いて行いましょう。
適切なリハビリテーション
手術後のリハビリテーションを適切に行うことで、筋力や関節の可動域を回復し、再度の骨折リスクを減少させることができます。
まとめ
人工膝関節置換術後の大腿骨顆上骨折は、転倒や外傷、骨粗鬆症などが原因で発生する可能性があります。
適切な予防策を講じることで、骨折リスクを大幅に減少させることができます。
万が一骨折が発生した場合には、早期の診断と治療が重要です。
大腿骨の骨折は非常に大きな怪我ですので、後遺症が残る可能性があります。
後遺症の程度を少しでも減らすためにもリハビリテーションは重要です。
リハビリテーションを通じて、再度の骨折を防ぎ、日常生活の質を向上させることが可能です。
骨折には気をつけて生活しましょう!
骨折は予防がとても大事ですからね!
起きてからでは遅いので!(笑顔)
以上、日本の中心から塗山がお届けしました。
術後の骨折には十分に注意して生活するのが大事!
「脚立は危ないから気をつけて!って言ったじゃない!」
怪我のリスクを考えて高いところには登らないようにしている整形外科医の塗山正宏でした!
【執筆】塗山正宏 医師
世田谷人工関節・脊椎クリニック
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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